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  • 第54回
  • 株式会社升半茶店 (愛知県名古屋市)

美味しい日本茶で
おうち時間をハッピーに♪
	佐井さん
コロナ禍でおうち時間が増え、自宅でお茶を入れることが増えたと言う方も多いのではないでしょうか?もちろんペットボトルのお茶もとっても便利ですが、お気に入りの急須と湯のみで入れたお茶を飲みながら、まったりくつろぐ時間ってとっても贅沢ですよね〜♪名古屋の美味しいお茶といえば、升半さん!お店の前を通ると、と〜ってもいいお茶の香りに誘われ……店内に吸い込まれてしまう私…。そんな日本人の暮らしに欠かすことのできないお茶の秘密を教えてもらうため、名古屋市中区にある本店を訪ねます♪

創業は、なんと江戸時代後期!

はじまりは1840年。尾張藩御用達の商人、升屋彦八家の三男である初代半三郎氏が独立し仕事を始める際、易者に「青物を取り扱うと良い」との助言をもらったことがきっかけで、お茶を扱うことに。当時は京都の宇治製挽茶を宇治茶師が独占していたため、その販売機構の改善を目指し、株仲間の結成と支配を尾張藩に出願。これが聞き入れられ「茶舗升屋横井半三郎商店」が誕生しました。この時、枇杷島から伝馬町(現在の中区錦二)へ進出し、店を開きました。経営は順調で、幕末には「町奉行所ご用達」を拝命。1883年には、二代目半三郎氏が宇治木幡(現在の京都府京都市)に茶園と製茶所を設置します。そして、本場宇治茶(当時は煎茶ではなく抹茶だったそう)の生産から販売までを一貫体制で行う、直売経営を実現したそうです。ところがその後戦争が始まると、統制経済により商売ができない状態に。戦時中をなんとか蓄えで凌ぐと、戦後いち早く商売再開をと京都に列車で向かいます。京都の親戚に預けてあった臼で挽いた宇治茶を櫃に入れ、担いで名古屋に持って帰ってきたというエピソードも教えてもらいました。実はこちらのエピソード、話を伺った横井さんのお父様、五代目半三郎氏の体験談とのこと。京都の地で眠ることなく夜通し作業し、夜行列車で苦労して運んだ甲斐があり、お茶は飛ぶように売れたそうです。それにしても大変な時代を乗り越えてこられたんですね…!
  • 代表取締役 横井信裕さんに話を伺いました。「茶舗升屋横井半三郎商店」が「升半」となったのは、お得意さまが「升屋半三郎」を更に略して「升半」と短く呼んだことだったそう。

  • 昔の升半茶店の店舗写真。貴重な写真や資料が、きれいな状態でたくさん残っていて、スタッフ一同、感激しました!

  • 当時所有されていた京都の茶畑の写真がこちら。ここでつくられたお茶が名古屋に届けられていたのですね。

  • 都はるみさんが歌う「升半の歌」のソノシート!その昔、ラジオCMで流れていたとのこと。貴重な歌声は升半のホームページで聞くことができます♪

いまも京都のお茶「宇治茶」にこだわる。

2020年に創業180周年を迎えた升半茶店。茶道では「松柏園(しょうはくえん)」の園名でも知られ、数々のお茶会で愛用されています。「松」も「柏」も常緑樹。冬でも葉が落ちず、緑が1年中茂るということでとても縁起の良い名前だそうです。そんな升半のこだわりは、現在も京都のお茶「宇治茶」を取り扱っていること。創業から変わらず、美味しい宇治茶を私たちに届けてくれています。戦後の農地改革で京都の畑はなくなりましたが、現在も生産・加工は信頼のおける京都の農家や業者に任せているとのこと。もちろん、年間を通して変わらぬ味をお届けするため、スタッフ自ら味をこまめにチェックしているんですって。同じ畑でもその年によって茶葉の味は微妙に違うので、試飲しながら何種もの茶葉をブレンドしているんです。まさに職人技ですね〜!そんな升半ですが、セントレアでは愛知県豊田市の農家が栽培する茶葉を販売しているそう。実は戦後、茶葉がなかなか手に入らず苦労していた頃、升半を助けるために貴重な茶葉を卸してくれたとのこと。その縁と味の良さから、現在も取引が続けられているんだそうです。心が洗われますね♪近年、国内のお茶の需要が横ばいの中、若い方にも老舗茶店に触れてもらうきっかけをつくろうと「抹茶ダックワーズ」や「抹茶葛水もち」などの新作スイーツを販売し好評を得ています。さらに手軽なティーバッグ商品のバリエーションを充実させました。老舗升半の新しい取り組みに注目ですね♪
  • 升半茶店の店内はお茶のいい香りがしました♪美味しいお茶はもちろんのこと、珍しい急須やお菓子などの一つひとつにワクワクします。

  • ティーバッグタイプの柴舟!急須で入れたお茶と変わらないお味でビックリ♪おいしさのポイントのひとつがテトラポッド型のティーバッグです。

  • サックリした歯ざわりながら生地はふんわり♪濃厚な抹茶味のクリームがクセになる「抹茶ダックワーズ」は絶品でした!

  • 見た目もとても涼しげで、ぷるぷる&もちもち食感の「抹茶葛水もち」。甘さ控えめなこしあんと抹茶の香りが究極のハーモニーを奏でてくれます♪

佐井祐里奈の体験後記

佐井祐里奈の体験後記アイコン
今回の取材中にいただいた宇治茶をみて、ふと気付いたことが…。あれ!そういえばお茶ってこんな色だっけ??そうなんです、京都宇治のお茶は緑色じゃなく、きれいな山吹色をしているんですよ。なんだかちょっとうれしい気持ちになりました。そしてここで、横井さん直伝の美味しいお茶の入れ方講座〜♪まず、茶葉の量は1人分が2gから3gがベストとのこと。ここで役に立つのがティースプーンです。ご自宅にあるティースプーンに軽く1杯くらいが1人分の適量なんですって。ただ、おひとりでいただく時は少し多めの1.5倍量で作ると良いそうですよ。ちなみにお湯は沸騰させてから70℃〜80℃に冷ますのがポイント。時間がない時は、一度湯のみにお湯を移し温度を下げたものを、茶葉を入れた急須に入れるとGOOD!お湯の量も分かるし、湯呑みを温めることもできるし、熱湯も適温になるという一石三鳥♪浸出時間は1分弱。手首のスナップをきかせながらリズミカルに、湯のみに一つ一つ回し注ぎをすると、味の濃さも同じになって美味しくいただけるそうですよ!ぜひトライしてみよう♪
佐井祐里奈の体験後記

左からティースプーン、コーヒースプーン(そして、大きさを比較するための単3電池)。煎茶を入れる時はティースプーンを使うのがおすすめとのこと♪

COMPANY DATA

株式会社升半茶店
https://www.masuhan.co.jp/

江戸時代後期、独占されていた宇治茶を低価格で提供するため初代半三郎が苦労を重ね藩に出願、1840年に認められ「茶舗升屋横井半三郎商店」を創業。空襲では本店の店舗など多くが焼失。さらに統制による業務停止など苦難の時代を乗り越え、創業180年を迎えました。本店(名古屋市中区錦2-7-1)のほかメイチカ店、栄地下街店、松坂屋名古屋店、三越 名古屋栄店などでも購入することができます。

  • 佐井祐里奈プロフィール
  • 佐井祐里奈

    ツイッター:@yunna_s31 愛知県日進市出身。大学卒業後、宮崎放送(MRT)のアナウンサーとして活躍。2013年から拠点を名古屋に移し、テレビのリポーター、ラジオのパーソナリティ、イベントの司会など、活躍の場を広げる。趣味はアイドル研究。

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