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  • 第50回
  • 株式会社松本義肢製作所 (愛知県小牧市)

しあわせをかたちにする
人と技術の会社、松本義肢製作所
	佐井さん
今回の取材先は、医療・福祉分野における義肢・装具・リハビリテーション機器の開発・提供を100年以上続けてきた「松本義肢製作所」さん。正直、義肢についてはパラリンピックをスポーツニュースなどで見たことがある程度の認識だった私。そもそも義肢・装具とはどういったものなのか、改めて調べてみました。「義肢」とは、病気や事故により失われた部分の機能を補うもの。そして「装具」とは体(体幹・腕・手・足)の機能障害の軽減を目的とするもの。なるほど……!本来あるべき状態への回復を目的として、広く医療と社会福祉に貢献されているんですね。さっそく、その歴史や想いを取材してきます!!

その歴史を伺いに、製作現場を訪ねました!

松本義肢製作所の創業者は松本豊治氏。彼が17歳のとき、病気により右大腿切断手術を受け、右足を失い義足を使用することに。当時、国産の義足は機能的なものがなかったため、技術的に進んでいた外国製の義足を使用することになったのですが、その外国製の義足が日本人の体型・生活スタイルに合わなかったそう。それをきっかけに、豊治氏は義足の研究を進めることにしました。自らが義足を使用する中で、あぐらや正座を想定していない外国製の義足の膝が90度までしか曲がらないことや、靴を脱いだ生活を想定してつくっていないことなど多くの改善点に気づき、研究・開発に打ち込みます。徹底的に理想の義足を追い求める豊治氏の研究姿勢は、のちに「技術の松本」として高く評価される松本義肢製作所に引き継がれていきます。その後1905年、名古屋市東区に「松本義手義足製作所」を創業。最初のターニングポイントとなったのは、1943年に社長業を従兄弟にあたる松本武氏に譲ったこと。二代目の武氏は名古屋大学病院をはじめとする名古屋市及び近郊各地の病院に積極的に営業を行います。その中で身体の機能を補助する装具の必要性を強く感じ、義肢だけではなく装具にも力を入れることに。これにより、会社はさらに大きく成長。1960年に株式会社松本義肢製作所とすると、1972年には武氏の長男である耕治氏が三代目社長となり、会社の近代化を進めました。これまでの家族経営的・個人商店的な良い雰囲気は残しつつも、時代に即したシステムを取り入れて制度や組織運営の近代化を図り、企業としての基盤を固めていきます。現在の代表取締役社長である松本芳樹さんは、静岡営業所・長野営業所を開設。新たな取引きも増え、さらに細やかなサービスが提供できるよう注力されているそうです。
  • 代表取締役社長である松本芳樹さん。小牧に新築移転した本社で、松本義肢製作所の歴史と現在の取り組みについて丁寧に話してくださいました。

  • 昔の義肢はなんと木製。持たせていただいたけれどあまりの重さに驚きました!これを手作業で削っていくのは大変だっただろなぁ。

  • 現在も手作業で1つひとつ丁寧に組み立てていくそ。心を込めて作業をする真剣な姿がとてもかっこよかったです。

  • CAD/CAMシステムを導入し、一部の装具製作をデジタル化。データを蓄積することで、品質の均一化、納期の短縮を可能にしています。

義肢装具以外の製品とインソールへの熱い想い

新しい取り組みについても教えていただきました。2011年3月に名古屋営業所にてオーダーメイド枕を取り扱う「睡眠姿勢 く〜すか」を開設。お客様の睡眠に関する悩みを専門のカウンセラーがヒアリングし、一人ひとりの睡眠姿勢に適合するよう計測・フィッティングを繰り返し、理想の快眠枕を作成してくれるとのこと。身体のことを知り尽くしている松本義肢製作所の枕なら、とっても安眠できそう〜♪
続いて、同年4月には犬山市にペット専門事業部としてアニマルオルソジャパンを開設。犬用の車椅子やコルセット、義足、リハビリ機器などを取り扱っています。家族の一員であるペットの自立支援をサポートしてくれるとのこと。困っている者に手を差し伸べる、そんな心やさしき松本義肢製作所の取り組みにジーンときました。
そして最近力を入れているのが、2014年に最初のモデルが発売されたスポーツ用インソール「FUSION」シリーズです。元競輪選手だったテクニカルプランナーが立ち上げにかかわり、アスリート本人にしか捉えきれない感覚=自身の経験則をインソールづくりに応用。理屈や数値では表せない競技者感覚をインソールの設計に落とし込むのは困難を極めますが、義肢や装具づくりにおいての長年の歴史とそこで培われた技術力、そして老舗義肢装具メーカーとしての誇りがこれを実現させたとのこと。松本義肢製作所の新しい挑戦「FUSION-FLEXI」は、ケガを予防し、競技力も向上させてくれる!そのすぐれた機能は国内だけでなく、世界中のプロアスリートから高い評価を受けているそうです。ちなみにスポーツ選手だけではなく日常生活の中でも足を疲れにくくしてくれるそうなので、気になる方はぜひスポーツショップで試してみてくださいね♪
  • 義肢装具士の日比野文昭さん。インソールへの想いをものすごい熱量で話してくださり、思わず商品の虜になっちゃいました!

  • 足の動きに追従し、シューズと足の抜群の一体感を実現したスポーツ用インソール。競技中シューズ内で激しく動く足部を安定させることでケガを防止、ベストパフォーマンスに導く優れもの!

  • 体重をかけると高い側壁が踵をしっかりと包み込みバランスを保ってくれます。

  • 指で押してみるとその素晴らしいクッション性に驚きます。この絶妙な弾力が、足を支えてくれるんですね!

佐井祐里奈の体験後記

佐井祐里奈の体験後記アイコン
病気や事故などにより「義肢」や「装具」を必要とされるみなさんの支えとなっている松本義肢製作所さん。「医療用品としての機能性」と「生活用品としての利便性」を求められる義肢・装具をつくり続けることで、利用されるみなさんの日々の快適と笑顔を創造しています。製作現場では、妥協せず心を込めて取り組まれている姿がとても印象的でした。そんな松本義肢製作所さんの歴史と確かな技術に裏付けされた「世界でたったひとつ」の義肢・装具への想いはとても真っ直ぐで温かく、胸が熱くなりました。
そして特別に体験させていただいた、私にとって初めてのインソール「FUSION-FLEXI」の素晴らしさもお伝えさせてください。靴と足が一体化するあの感覚…一度は体験してほしい!!子どものおさんぽや公園遊びで、どれだけ歩いても足が疲れないのです…驚きのインソールパワー!まずは試し履きをしてあのフィット感に感動してくだサイ!インソールの虜になること間違いなしです!!
佐井祐里奈の体験後記

カラフルな義肢・装具たちに、心がパッと明るくなりました。日々の開発努力が伝わります。

COMPANY DATA

株式会社松本義肢製作所
https://www.pomgs.co.jp/

1905年の創業から100年以上にわたり、医療・社会福祉の分野に義肢・装具を提供する老舗企業。義肢装具士をはじめ専門スタッフがそれぞれのセクションに分かれ、新しい技術・素材を取り入れながら、医学的・工学的見地から製品づくりを行なっています。近年目覚ましい成長を遂げるリハビリテーション医療においても、パイオニアとして注目されています。

  • 佐井祐里奈プロフィール
  • 佐井祐里奈

    ツイッター:@yunna_s31 愛知県日進市出身。大学卒業後、宮崎放送(MRT)のアナウンサーとして活躍。2013年から拠点を名古屋に移し、テレビのリポーター、ラジオのパーソナリティ、イベントの司会など、活躍の場を広げる。趣味はアイドル研究。

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