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  • 第43回
  • 株式会社八百彦本店 (愛知県名古屋市)

家族で大ファン、八百彦さんのお弁当♪
	佐井さん
デパ地下でのお買い物ってワクワクしませんか?実家にいた頃は、母と名駅や栄でお買い物をした後に、デパ地下で八百彦さんのお弁当を買うのがお決まりでした。美しい盛り付け、やさしくて品のあるお味に、親子でベタ惚れなんです。それは我が家だけではなく……夕方になると八百彦さんのお弁当コーナーにはたくさんのお客さんが集まっていますよね。今日はそんな、みんな大好き八百彦さんのお弁当の美味しさの秘密に迫ります!

およそ300年!名古屋の台所の歴史に迫ります。

八百彦の創業はとても古く、なんと江戸時代に遡ります。正確な年代は分かっていませんが……1720年頃に清州で農家を営んでいた初代が、名古屋で青果店&漬物店をスタート。その後、お客さまであった商家の要望により、そこの台所を借りて料理を作り提供したことが、仕出しの原点です。そして、明治初年には仕出し専業となったそうです。しばらくは名古屋城下においてこの出張料理のスタイルが続きますが、戦後になると人々の暮らしが大きく変化。さらには自動車の発展などもあり、料理を届ける範囲や数量が拡大。そこで料理を容器に盛り付けてお届けするというスタイルに変化します。
平成3年には弁当・惣菜販売店を松坂屋名古屋店に、平成12年にはJR名古屋タカシマヤに出店。さらにナゴヤドームでも弁当が販売されるなど、販路が大きく広がりました。その後、平成22年には東区の徳川美術館内に日本料理「宝善亭」をオープン。仕出しではない、温かい出来立てのお料理をお客様に食べていただくという今までとは違うスタイル!お弁当もあれだけ美味しいのだから、出来立てのお料理もまた最高なんだろうなぁ~。いつか行ってみたいなぁ~♪
最近の取り組みとしては、平成25年に6階建ての新調理場をオープンさせました!平成29年にISO 22000という食品安全マネジメントシステムの国際標準規格を取得したという調理場、このあと潜入取材させたいただきますっ!
  • 代表取締役の三浦剛裕さんに話を伺いました。ちなみに、八百屋の彦兵衛さんが仕出しをはじめたから「八百彦」という名前になったそうですよ!

  • 江戸時代の名古屋城下町の絵に注目してください。これが、当時の八百彦の茶店(仕出しと兼営)の姿だそう。

  • こちらは人気の「会席割子」。なんて贅沢なの~♪こんなにステキなお食事が届いたら、間違いなくテンションが上がります!!!

  • 女性に人気の「小町」。お弁当箱自体も可愛くて、蓋を開ける前からワクワクしちゃいます。取材後にいただきましたが、美味しかったなぁ~♪

最新鋭の衛生技術と昔ながらの丁寧な仕事ぶりに脱帽!

続いて6階建て本社ビルの調理場にお邪魔しました。「老舗の調理場取材なんてドキドキするぅ~!」と心弾ませる私をまず驚かせたのは、徹底した衛生管理です。自社開発した唯一無二の「手洗いシステム」で、社員がどこでどのような手洗いをしたのかをデータで管理しているそう。まず手洗い場では、正面のモニターに流れる「正しい手の洗い方」の映像を見ながら、30秒間丁寧に手を洗います。ちなみに、決められた2度の手洗いをクリアしないと調理場への入場ゲートが開かないという厳しいシステムは、それまで世の中に存在していなかったため、自社開発したとの事。調理場にお邪魔する前に、安心・安全への最先端の取り組みに感動してしまいました!
実際に調理場に入ってみると、調理前のものと調理済みのものが交わらないように床の色が変えられていたり、野菜の洗浄、加熱、盛り付けごとにフロアが分かれていたり、室内の温度を管理したりと、見事なまでの徹底ぶり。さらに人体には影響のないレベルで気圧を調整することで、虫や異物の混入を防いでいるそうです。
それとは逆に、創業当時の味と技を守りつづけるため、昔ながらの調理スタイルにこだわっています。早朝から始まる八百彦さんの1日は、鰹節を削って風味豊かな出汁をとることから始まります。食材は旬のものを毎日市場から仕入れ、職人の手で季節を生かした料理に生まれ変わります。その中で驚いたのは、煮物の鍋の大きさ。最盛期には1日に15,000食も作ると聞いて、かなり大きな鍋を想像していたのですが……。ひょっとしたら、大家族の台所にありそう?そんな大きさの鍋なんです。煮崩れを防ぎ、素材の持ち味を生かすため、一つ一つ丁寧に炊き合わせていくそうです。何度も作るのはとても手間がかかりますが、美味しさのためには手を抜かないそう!「味はかえない。手もぬかない。昔ながらの想いもかえない」そんな覚悟が伝わります。
そんなこだわりを「当たり前のことですが…」とさらっと言い切るカッコよさ!私を一生、八百彦さんのファンでいさせてくだサイっ!美しくて、美味しくて、安心安全は最強です!!
  • モニターの映像を確認しながら手を洗うと、30秒が不思議とあっという間!ピカピカに手を洗うと気持ちも清々しくなって、気合が入ります♪

  • 30年以上、メンテナンスしながら大切に使われている鰹節削り機で、毎朝その日に使う分だけを削ります。「出汁」の大切さや伝統の重みを感じます。

  • かぼちゃ、たけのこ、桜麩など、素材ごとに適度な大きさの鍋で丁寧に煮ていきます。昔ながらのやり方を大切にしてるんですね。

  • 京都とも関東とも違う「名古屋巻き」と呼ばれる出し巻き玉子。板を使って右から左にくるくるっと巻いていきます。多い時は1日に400本も巻くんだそう!

  • 2Fの盛り付けフロアにて。できあがった一品一品を、美しく詰めるその手際も神業です。

  • 整然と並んだ彩り豊かで美味しそうなお弁当たち。冷めても、あたたかい料理ってこういうことなんですね!

人事担当者からのメッセージ

求める人材は各部署によって異なりますが、「真面目であること」が八百彦の社員の特徴だと思います。調理場には協調性、営業には豊かな発想力、品質管理には食品に関する知識が必要となりますが、入社にあたって大切なのはやる気です。入社後、それぞれの部署で経験を積むことで、必要な知識や技術は修得していただけます。
入社するとすぐに調理場での研修があり、最初に盛り付けを担当していただきます。常に先輩社員がサポートし、丁寧に教えてくれるので心配はいりません。その後は、焼き物や煮物、だし巻き玉子のほか、さまざまな調理を担当し、一人前の職人を目指してください。コツコツと地道な作業も多いですが、数多くの食材を扱い、季節ごとにメニューも変わるので、毎日が新鮮で新たな発見がたくさん待っていますよ!
ある日、回収した容器に「美味しかったです」との短いメッセージが入っていたことがあり、心から感動したことをいまも覚えています。そんなことも、仕事をするうえで、よし頑張ろう!と思えるやりがいです。
就職活動の期間には色々な会社を見て、自分にはどんな企業が合うのか、この会社で何をやりたいのか、しっかりと見極めてください。すばらしい会社との出会いを祈っています。

(代表取締役社長 三浦 剛裕さん)

佐井祐里奈の体験後記

佐井祐里奈の体験後記アイコン
「冷めても美味しい秘密は?」との問いかけに「気持ちを込めていること」と即答されたのがとても印象的でした。三浦さんをはじめ、どの社員の方々もまっすぐに真面目であたたかい。心がほっとする社内の雰囲気、調理場に漂うお出汁の良い香りに癒されました。名古屋の台所として真面目に日々精進していきたいと話す三浦さんの想いが、お弁当の美味しさに表れているのだと思います。
ちなみに煮物は時間をおいて二度煮、ゆっくりと冷ますことでしっかり中まで味を入れていくそう。そのほか、焼き物の魚も一本一本丁寧に串に打ち焼き上げています。もちろんそれぞれにレシピが存在するのですが、それらはあくまでも目安。最終的には、職人が素材を見極め、最適な火加減や味付けを調整し仕上げているそう。まさに職人技ですよね。
メニューの刷新は、季節ごとに年4回あるのですが、メニュー開発専属の方がいるわけではなく、日々の製造の過程で出てしまう形が崩れてしまったものや余りものを、従業員の皆さんが食べ、人気のあるものは継続し、人気のなかったものは変更するという単純さ。
自分たちが食べて美味しいものじゃないと、お客様には出せない!と日々「美味しい」のために全力な八百彦さん。これからもありがたい気持ちで、美味しくいただきまーす♪
佐井祐里奈の体験後記

お出汁の味がじんわりと広がって本当に美味しかったです。これが幸せってことなんだなぁ~としみじみ思いました。

COMPANY DATA

株式会社八百彦本店
https://www.yaohiko.co.jp/

西暦1720年ごろ、名古屋城下(現在の本社所在地とほぼ同じ)に創業。およそ300年にわたり愛される仕出し料理の老舗です。「100年先も伝えたい名古屋の味」をスローガンに、名古屋のセントラルキッチンとして、昔ながらの技と想いを大切にした「見て美しく、食べて美味しい」を守り続けています。

  • 佐井祐里奈プロフィール
  • 佐井祐里奈

    ツイッター:@yunna_s31 愛知県日進市出身。大学卒業後、宮崎放送(MRT)のアナウンサーとして活躍。2013年から拠点を名古屋に移し、テレビのリポーター、ラジオのパーソナリティ、イベントの司会など、活躍の場を広げる。趣味はアイドル研究。

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