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  • 第42回
  • 株式会社MOLATURA (三重県四日市市)

ママも一緒に食卓で♪HAPPYなコンセプトに、キュン!!
	佐井さん
みなさん、いま話題の蓄熱調理土鍋「ベストポット」をご存知ですか?私は百貨店で見かけて、ず~っと気になっていました。見た目がなんとも愛らしい、このベストポット。蓄熱性に優れているので、温め直しが必要ないのも魅力です。つまり、「いただきます♪」をしたら席を立つ必要がありません。「おかわり~」の声で台所に戻らなくてOKと言うこと。ママに優しい~!しかもガス代も抑えられて環境にも優しいとは…言うことなし。その誕生秘話に注目ですよ!

まずは会社の歴史に迫ります!

最初に、代表取締役の山添卓也さんに話を伺いました。会社のある四日市市は、東海道五十三次の宿場町のひとつで、江戸時代に築港された四日市港と陸路によって大きく発展。会社のはじまりは、1914年(大正3年)。漁業も盛んだったその町で、山添さんの曽祖父が漁網の編み機メーカー、中村製作所を創立します。しかし、昭和に入り大きな工業地帯となった四日市市は、1945年(昭和20年)の空襲で町一帯が焦土と化し、事業は休眠状態に。その後、山添さんの祖父が事業を大幅に方向転換。1969年(昭和44年)に、大手工作機械メーカーの下請けとして、部品加工を手掛ける株式会社中村製作所を設立しました。山添さんの父、山添勝美さんが代表取締役に就任すると、事務所を新設し工場を増設するなど、事業は順風満帆……のはずでした。山添さんはそんな父の跡を継ぐため、大学を卒業してすぐに入社。しかし、その1週間後に勝美さんが末期ガンの宣告を受けます。それから1年半の間、山添さんは勝美さんと多くの言葉や想いを交わし、2001年12月に代表取締役に就任しました。悲しみに暮れながらも業績を伸ばす中、2008年にリーマンショックの影響で売り上げが90%も激減!一社取り引きだったこともあり、大きなダメージを受けました。このとき山添さんが思ったこと。それは、誰かの助けになればと汗水たらした祖父や父の生きた証を示し、自分たちの価値を見いだせる自社ブランドを生み出したい!「削る」仕事が大好きだった父、勝美さんの口ぐせ「空気意外なんでも削る」を会社のポリシーとし、全く新しい事業に挑戦することを決意します。その後、三重県リーディング産業展に初参加。薄く精密な加工技術を施したチタンのワイングラスを展示し、技術力をアピール。ワイングラスのプレートの裏の彫り込みを見た来場者から、印鑑をつくってみたらどうかとの提案を受け、2015年には念願の自社ブランド「MOLATURA(イタリア語で削るの意)」を設立。チタン製の印鑑SAMURA-IN(サムライン)を発表します。「侍が鞘から刀を抜くときの佇まい」を表現し、「社長が覚悟をもって捺せる」カッコイイ印鑑です!その後、2018年には「株式会社MOLATURA」を設立する運びとなりました。
  • 代表取締役の山添卓也さん。いろんなことに挑戦する姿勢がとてもカッコよく、ステキな方でした!

  • この金属のワイングラスからすべてがはじまり、印鑑、潜水艦のモーター、土鍋、宇宙航空産業と、さまざまな出会いが生まれました。

  • 2015年にはグッドデザイン賞を受賞したSAMURA-IN!個人印もあるので、息子が20歳になる時にプレゼントしたいな~。

  • 法人印セットを購入するとオリジナルBOXがついてくるそう。お仕事もきっとうまくいきますね!

唯一無二の蓄熱調理土鍋、ベストポットの魅力とは?

「SAMURA-IN」にとどまらず、今後の大きな事業の柱とするべく生み出したのは鍋。レッドオーシャンと呼ばれる競争の激しいジャンルにあえて挑戦したのは、「お客様に喜んでいただける本当に価値のあるものを届けたい」という思いから。
その特徴は、鍋全体にまんべんなく熱を伝えられる羽釜(はがま)形状。さらに、鍋の中で熱が対流する二層構造。まるでスカートをはいているような可愛らしい形ですが、これが蓄熱調理や無水調理を可能にする秘密のひとつなんです。この鍋本体は、地元・四日市の伝統工芸であり、土鍋の全国シェア80%をほこる萬古焼。しかしその特殊な形状をカタチにできるメーカーがなかなか見つからず、途方に暮れていたところ……。山添さんの高校の同級生でもある、水谷商店の水谷泰治さんが協力してくださったそう。水谷さんは見たこともない形状に戸惑いながらも、圧力鋳込みという製法で課題をクリアします。そして、もうひとつの秘密は鉄鋳物の蓋にあります。本体と異なる素材を用いたのは、その重みにより気密性を高めるため。さらに裏側に並んだ凸凹やその形状により、素材の旨味を含んだ蒸気を循環させ無水調理を実現しています。その鍋本体と蓋の接合部分を1/1000mm単位(ちなみに人間の髪の毛は 1/10mmほど!)で精密に削ることで、唯一無二の調理器具「ベストポット」が完成します。
現在は土鍋の弱点でもあったIH非対応の課題を大阪の町工場と協力してクリア。オール電化(IH)に対応したベストポットもラインナップされてるんですって!!なんてスゴイのかしら~!
  • お米を炊くのはもちろんのこと、煮物やスープ、蒸し焼きに向いています。チャーシューやプリンなども作れるそう!

  • 温められる鍋の底、羽釜の形状、空気層にたまる熱、この3つの作用(トリプルヒート効果)により熱を保持することができるんですって。

  • 鉄鋳物の蓋の重みにより気密性を高め、裏側に並んだ凸凹が素材の旨味を含んだ蒸気を循環させて、蓄熱・無水調理ができちゃいます♪

  • 高精度に鍋と蓋を削ることで、食材のうまみが逃げ出す隙を与えません!ですが、ほんの少し(5/100程度)「楕円」に削ることで、鍋と蓋を離れやすくしています!

  • 鍋の内側には阿蘇山の火山灰を釉薬として使用。鉄分を多く含んでいるので遠赤外線放射率が安定して高くなるとのこと。

  • 土鍋ごはんは火加減が大変なんだけれど、ベストポットがあれば初心者でも簡単に激ウマの土鍋ご飯が炊けるそう♪お腹がすいてきた~!

佐井祐里奈の体験後記

佐井祐里奈の体験後記アイコン
自社ブランドを立ち上げ、他にはない印鑑やお鍋などを開発し、新しいコトに積極的に挑戦する姿がとても印象的でした。現在は「リアル下町ロケット」として、航空宇宙産業の部品加工にも携わっているそう。先代から受け継いだ「空気以外なんでも削る」という真っ直ぐな想いと技術が、これからも素晴らしいモノをどんどん創り出していくのでしょう。ちなみに、今年の6月にはベストポットのカラーバリエーションを一新、さらにミニサイズ(12cm)が発売される予定とのこと。おひとりさまサイズのベストポットは、東京の有名和食店やロサンゼルスで話題のレストランでも使われるそうなので、さらに人気が出そうですね。ちなみに現在放送中のTVドラマの中にも、ベストポットがヒョッコリ登場することがあるんですって。夢いっぱいで世界に羽ばたくMOLATURAに、みなさんも注目してくだサイ!!
佐井祐里奈の体験後記

汚れがどうしても気になる方には1,000円でリペア(焼き直し)サービスを。割れてしまった場合にもリプレイスメント(お取り替え)サービスがあるそうです。

COMPANY DATA

株式会社MOLATURA
ベストポット公式HP
https://www.bestpot.jp/

株式会社中村製作所HP
https://www.nakamuraseisakusyo.co.jp/

自社の加工技術と価値を高めるため、2015年に自社ブランド「MOLATURA」を立ち上げ、チタン製の印鑑SAMURA-IN(サムライン)を発表。2018年には「株式会社MOLATURA」を設立し、唯一無二の蓄熱調理土鍋「ベストポット」を発表する。1000分の1ミリを「削る」精密加工の技と、四日市の伝統工芸「萬古焼」が融合した新しい土鍋は、雑誌やテレビなどで取り上げられ大反響を呼び、現在は納品まで3か月待ちの人気ぶりです。

  • 佐井祐里奈プロフィール
  • 佐井祐里奈

    ツイッター:@yunna_s31 愛知県日進市出身。大学卒業後、宮崎放送(MRT)のアナウンサーとして活躍。2013年から拠点を名古屋に移し、テレビのリポーター、ラジオのパーソナリティ、イベントの司会など、活躍の場を広げる。趣味はアイドル研究。

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