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  • 第36回
  • 株式会社馬印 (愛知県名古屋市)

120余年の歴史をほこる
チョークメーカーの進化に迫ります!
	白井さん
小学校、中学校、高校…学生の頃は毎日当たり前に触れていたチョーク。あの独特の質感や書くときの音、指に色が少し残る感じも好きでした!今回は、そんな懐かしくもあり、お世話になったチョークを戦前から作っている会社におじゃまします。誰でも一度は使ったことのあるチョークを作り続けるものはもちろん、時代が移り変わる中での新しい挑戦についてまで、お話をたっぷり聞いてきました!

会社を長く続ける秘訣は?
そして社名の由来は??

1896年(明治29年)創業の馬印は、名古屋で初めてチョークをつくった会社です。当時、輸入に頼っていたチョークに目をつけたのが、創業者の加藤杉太郎さん。自らチョークづくりの技術を学ぶため、国産チョークを初めてつくった大阪の会社で修行を始めます。その後名古屋に戻り、中区池田町に加藤白墨製造所を設立。その頃は、鉛筆の芯をつくっていた杉太郎さんの兄も一緒だったそう。現在の社名になる前でしたが、商品にはすでに地球儀にまたがる馬の商標が使われていました。その理由は、創業者の杉太郎さんが午年生まれということと、鉛筆の芯を手掛けていたお兄さんの名前に「馬」が使われていたからなんですって!これが後の社名の由来なんですね〜。
昭和の初めには、日本だけでなく海外へチョークの輸出を開始。いち早く海外に市場を見出す先見の明こそ、会社が長く続く秘訣なのかも……。しかし、120年もの長い歴史の中では、戦争で本社と工場を焼失するなどの危機に見舞われたことも。それらを乗り越えながら、チョークだけでなく黒板やホワイトボードの製造もスタート。時代の変化と共に、着実に事業を拡大します。3代目(現社長のお父さま)の時には、加藤白墨製造所を株式会社にすると同時に社名を「馬印」に変更。そこからまた新たな歴史が始まり、4代目にあたる現社長の加藤泰稔さんにしっかりと受け継がれています。
  • 現社長の加藤泰稔さん。馬に縁がある一家ですが、なんとご本人も午年生まれなんですって!

  • こちらは海外に輸出していたころのパッケージ。いま見てもオシャレですね!

  • 白、青、赤、黄色のチョーク!黒板で混ぜて、色んな色を作って遊んだなぁ〜。懐かしい!

  • 手に取ると青春時代の思い出が蘇ってきました…。好きな子と日直で一緒に黒板消すのとか楽しかったなぁ~。

主力商品の変化と既存商品の捉え方。
そしてあらたな挑戦!

馬印では、これまでの経験と技術力を生かしてさまざまな商品を自社工場で生産しています。そのアイテム数は、なんと2000種類以上!時代の変化と共にチョークの売り上げは全体の4%ほどになっていますが、現在最も大きな需要はホワイトボードなんですって。6・7年前から学校の黒板がホワイトボードに変わっているそう……。すでに岐阜県では、県立高校の黒板すべてがホワイトボードなんですって。ホワイトボードは書くという用途以外にもスクリーンになるなど、その機能性に今後ますます需要が高まるのでは。
時代や需要の変化について、現社長の加藤泰稔さんは、「実は、創業当時から作っているものに、大きな変化はないんです。ただ、その使い方に変化がある。新しいものを作るというよりは、新しい用途を開発しているんですよ」そう話してくださいました。
そんな用途開発の中で生まれた、面白いアイテムも。それが、チョークと彫刻を掛け合わせた「チョコック」。普段は工事現場などで使用される極太チョークですが、その太さを生かしてチョークに彫刻ができてしまうという遊び心あふれるもの。他にも、ホワイトボード専用書道セット「筆タッチ」。これはホワイトボードに書いて消すことができるインキと筆のセットです。この商品を作った理由は、「チョークはチョークアートで使うなど画材としての用途がある中で、ホワイトボードも画材の1つにならないか」という想いからだそうです。その着眼点がユニークですね!
教育の場では変わらず馬印製品の需要があるのはもちろん、ニーズに合わせてさまざまな進化をみせる馬印。さらに用途開発で、既存の商品に新しい光を当てるなど、これからも進化を続ける老舗から目が離せません!
  • 「筆タッチ」は一見普通の書道セットとなんら変わりませんが……。

  • 実際に書いてみました~。書き心地が良い!そしてこの後ちゃんと綺麗に消すこともできました!気持ちいい~!!

  • チョークに彫刻ができる「チョコック」。色付けをしたりラインストーンをつけたり、デコレーションすることもできます!

  • こちらは透明なホワイトボード!部屋の中に置いても、圧迫感を感じさせない優れもの!

人事担当者からのメッセージ

求める人材は、明るくて健康な方。そして自分の意見を持っている方です。入社前に必要な知識は特にありませんが、部活など集団生活の経験があると、仕事でも役に立つと思います。決して大きな会社ではないため、若い時からいろいろなことにチャレンジすることができるのも特徴です。頑張りに応じて発言権も増し、責任のある仕事をどんどん任せてもらえます。社長も社員の意見を素直に受け入れてくれますよ。
入社後は、新入社員研修だけでなく、個々の希望に応じて簿記や語学などのキャリアアップを積極的にサポート。やる気さえあれば、仕事をしながらいろいろなスキルを身につけることが可能です。
当社は社員採用時に、面接だけでなく電話でのやり取りも重要視しています。常日頃から人とのコミュニケーションの取り方を意識して過ごすのが、就職活動のポイントかと思います。
竹内幸茂さん

取締役総務部長 竹内幸茂さん

白井奈津の体験後記

白井奈津の体験後記アイコン
馬印の本社前には大きな馬の像が置かれています。その大きさと迫力に圧倒されながらお邪魔させていただきましたが、その歴史と努力にさらに圧倒されました。これまでチョークやホワイトボードは、学校で使うものというイメージが強かったのですが、今回の取材では、そんな用途があったのか!とびっくりすることも多々。モノの根本や軸は変えず、その中でニーズに合わせたモノづくりをしていく。これが老舗企業の守りながら挑戦していく姿なんですね!
白井奈津の体験後記

極太チョークと長い黒板消し!長い黒板消しは塾で使っていた記憶が…!

COMPANY DATA

株式会社馬印
https://www.uma-jirushi.co.jp/

現存する国内のチョークメーカーとしては、もっとも長い歴史をほこる会社です。現在は文具メーカーとして、チョークはもちろん、ホワイトボード、黒板、掲示板、案内板、情報伝達商品などを自社工場で一貫して生産しています。

  • 佐井祐里奈プロフィール
  • 白井奈津

    愛知県名古屋市出身。ラジオ、テレビのリポーター、ナレーション、イベントの司会など、マルチに活躍。

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