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第27回
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コーミ株式会社 (愛知県名古屋市)


味の決め手は、甘くて美味しいソース!ソースにもさまざまな種類がありますが、地元愛知県の定番はウスターソースですよね。今回は、「値段は高いが、いい味です!」のキャッチフレーズでお馴染みのコーミを大調査しますよ!
地元に寄り添うソースのこだわりと歴史
終戦後は開業のために自動車関係の仕事に就き、コツコツと貯金にはげみ……昭和25年に本格的にソース作りを始めます。「ソースは香りと味が良くなければいけない」という想いが込められたソースは、「香味ソース」と命名。昭和30年前半には、より親しみやすいよう「コーミソース」に変更します。
その後、地元中京圏のお客様が求める美味しさを追求した結果、料理を引き立たせる脇役としてのソースではなく、そのものが美味しいソースにたどり着きます。それは、うま味成分が秀でたソースとして、唯一無二のソースの誕生でもありました。さらに、他社のウスターソースと比べても、旨味の数値などがはるかに高いこともあり、JAS規格の「特級」「ウスター」には分類できないと、新たに「こいくち」という新規格が制定。そのオリジナル性を認めてもらうなんて、スゴイことですよね!お馴染みの「コーミこいくちソース」の「こいくち」には、そんな熱い想いが込められていたんです!!
そしてコーミといえば、地元のトマトを使ったケチャップを忘れてはいけません。そもそもケチャップに使われるトマトは、加工用トマトといって普段私達が口にする生食用のトマトとは別物なんだそう(知らなかった…)。
露地栽培で年に一回、真っ赤に熟れたものを手摘みで一つひとつ収穫する加工用トマト。実は、愛知県が草分けだったことをご存知ですか(これも、知らなかった…)?コーミは、生産農家や農協と協力しながら、地元で加工用トマトを使ったこだわりの製品を研究&開発しているのです!
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地元の食文化を守ることも、基礎調味料メーカーとしての大事な使命だと真剣な面持ちで話してくださいました。
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コーミの3つのこだわりの1つ目「ソース」。香りと味を大切に、トロリとした濃い味は60年以上愛され続けています。
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2つ目のこだわりは「トマト」。産地別の国産トマトケチャップは、味わいがそれぞれ違うんですって。食べ比べてみるべし!
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3つ目のこだわりは「名古屋」。地元の食文化を広く発信していきたいという想いが込められています。 手羽先煮のたれは、カメラマンさんもお気に入り!
お客さんの声をカタチに、進化し続けるコーミの製品
さらに今年の夏には、キャップの注ぎ口をリニューアル。お客様から「ソースを出しすぎてしまうことがある」との意見を反映したもの。ほかにも、ソースを購入してから使い終わって捨てるまでの不便さを取り除くため、日々考え、開発しているそうです。なんて有難いことなんでしょう!
2018年の春には、トロミをつけたこいくちの焼きそばソース、お好みソース、たこ焼きソースを新発売!甘みもあるけれど、しっかりとした旨味が特徴のソースたち。トロミが強めなので、焼きそばを作るときにしっかりとソースが絡むそうです♪こちらも「ソースと食材を絡めるのが大変」と言うお客様の声から、開発されたとのこと。スゴイ!
さらに秋には、オイスターソースもリニューアル。こちらは「ガラス容器のゴミの分別が大変」「粘度が高いので出しづらい」という声から、プラスチック製の容器を開発。ケチャップやマヨネーズの容器に近いので、容器を軽く押すだけで出てくるし、使い終わって捨てるのも楽チン♪お客様の声を真摯に受け止めてくれる会社は、すごく信頼できるなぁ~。リピートしたくなる美味しさ、使いやすさの秘密はここにあるのですね!
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営業企画支援室課長 村尾享俊さん。開発途中のソースのブラインドテストの結果には、何度もハラハラドキドキさせられたそう。
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よく見るとパッケージに「白醤油」「玉ねぎ」「昆布エキス」などが♪奥行きのある旨味を追求するため、1年かけて開発しました。
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こちらが「出すぎないキャップ」。この注ぎ口なら、ドバッとたくさん出ないですよね♪これなら安心だなぁ~!助かるなぁ~!
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コーミのオイスターソースは、広島産かき100%使用!かきの身を丸ごとすり潰しているので旨味と風味が生きているんです♪
人事担当者からのメッセージ
仕事のやりがいは多々ありますが、お客様から「コーミさんの製品はとてもおいしい!」「コーミさん、いつもありがとう!」と、感謝の言葉を頂戴した時は最高に嬉しい。がんばってよかったと思える瞬間です。
就職活動では壁にぶつかることもあると思いますが、常に高い目標を掲げ、毎日コツコツと努力を重ねて下さい。きっと道は開けます。面接の際は、明るく!元気に!この会社で何がしたいのか、自分らしく熱意をもって語りましょう。熱意は、人の心を動かしてくれるはずです。

総務部 部長 仲野英明さん
佐井祐里奈の体験後記

専務取締役の川澄さんは、もっと地元の方と触れ合い、よりオープンな会社にしたいと話してくださいました。そのために地元のお祭りにケチャップかけ放題のフランクフルトの店を出店してみたり、ソースやケチャップづくり教室を開いてみたり、みんなに親しんでもらう機会を増やしているそうです♪村尾さんも「食育」に力を入れていて、出前講座やお料理教室とのコラボレーションもしていると教えてくださいました。
さらに12年前に「愛知県加工用トマト拡大協議会」を発足。生産者、消費者、行政、加工業者の四者が一体となり、加工用トマトの栽培、消費の拡大を図っています。地元を愛し、地元に寄り添い、進化を続けていくコーミの未来がこの先も楽しみです♪

揚げ物はもちろんポテトサラダや目玉焼きにも、ソースをかけるとコクが増して最高に美味しくなるんだって!万能だなぁ~。

コーミ株式会社
http://www.komi.co.jp/
昭和25年に川澄食品工業を設立し、ソースの製造・販売を開始。その後、昭和42年にコーミ株式会社へ社名を変更する。地元の味覚に合わせたソースを追求した結果、従来のJAS規格にはない「こいくち」という新規格が誕生。地ソース文化の立役者ともなった。
昭和49年から、イメージモデルに女優の山本陽子さんを起用してCMを放送。「値段は高いが、いい味です!」のキャッチフレーズでも親しまれた。
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佐井祐里奈
ツイッター:@yunna_s31 愛知県日進市出身。大学卒業後、宮崎放送(MRT)のアナウンサーとして活躍。2013年から拠点を名古屋に移し、テレビのリポーター、ラジオのパーソナリティ、イベントの司会など、活躍の場を広げる。趣味はアイドル研究。