第9回目の訪問先は、日本髪を結うのに欠かせないつげ櫛職人の職場です。 力士や歌舞伎役者を支えるつげ櫛が、どのように作られているのか……。
「小ちゃくたって名古屋嬢!」な坂本遥奈が、体当たりリポート!
今回、ハルちゃんが向かった先は、明治36年創業の櫛留商店。日本で唯一、相撲櫛を制作しているすごいお店なんです。
「つげ櫛って、普通の櫛と何が違うの?」ハルちゃんの素朴な質問に答えてくれたのは、3代目店主 森信吾さん。「私たちがつくるつげ櫛は、ほとんどが手作業です。普通の櫛との大きな違いは、髪を櫛でといたときの静電気の少なさ。髪を痛めず、毛根に心地よい刺激を与えてくれるんですよ」(森さん)。
実際に違いを確かめるために、つげ櫛で髪をといてみたハルちゃん。「わぁ〜、スゴイ!いつもは引っかかる髪の毛が、一度にスーッととけた」と感激。「毛艶もよくなるんですよ」(森さん)。
次に、櫛を頭皮にあてて感触を確かめてみます。「木のやさしさが伝わってくるみたい!まるでヘッドスパだね!!」とさらに感激するハルちゃん。
「何度も自分のほほに櫛を当てるんです。そして、感触を確かめながら、使う人の気持ちを考えながら、櫛をつくっています」(森さん)。
「こんなにすごい櫛が、どうやってつくられているのか、教えてください!」
厚生労働大臣が表彰する、現代の名工に選出された、3代目店主の森さん。「今日はよろしくお願いします!」
お店の軒先には、櫛の素材となる本つげ材が陰干しされている。「約1年干して、木のクセを引き出すんだって!」
陰干しした本つげ材は、続いていぶしの工程へ。「ここでは火を絶やさず約3か月間、薫製に。陰干しといぶしを約5年間繰り返すんだって!」
庭で何かを発見したハルちゃん。「櫛の歯を研ぐのに、このトクサを使うんだって〜!」。
続いて、歯ずりの作業を見せてもらいます。「1本の櫛を3,000〜4,000回も磨くんだって!ビックリ!!」
職人さんのマネをして、櫛の歯をほほに当ててみるハルちゃん。違いは分かるかな??
歯ずりだけでも、色んな道具を使い分けるのが職人の技。「よく使い込まれているね!」
最後に、日本で唯一製造している相撲櫛を見せてもらいました。「4種類の櫛を使って、大銀杏を結い上げるんだって!」
つげ櫛の制作工程を一通り見学したハルちゃん。長年、手間ひまかけてつくられるつげ櫛に、さらに興味がわいたよう……。
「一日何時間の作業をするんですか?」「朝8時から、夜7時までかな?」(森さん)。
「シュッシュって歯ずりをしている間は、何を考えているの?」「う〜ん、無の状態でいることが多いかな?」(森さん)。
「1本の櫛をつくるのに、何年くらいかかりますか?」「板づくりも含めると、小さいもので5年くらい、相撲櫛になると10年以上かけてつくります」(森さん)。
まずは歯ずりに挑戦!「磨き棒に人差し指をそわせるように持つんだよ」
シュッシュッシュッシュ……。「森さんに筋がいいね、って褒めてもらったよ」
続いて、櫛の焼き絵付け体験です。「どんな絵を描こうかな?」
ハルちゃんが選んだ大人っぽい花柄を、カーボン紙を使って櫛に写します。
ハンダゴテで、下絵をなぞるように絵を焼き付けていきます。「カーブがムズイ……」。
「うへぇぇぇ〜。こんなに集中したのは、久しぶり!肩が凝っちゃったよ」
次に櫛を入れて運ぶ袋をつくります。ハルちゃんが選んだ生地は赤色(なぜ?笑)。
無心で、チクチクチクチクと縫います。「手先が器用だねって、またまた褒められちゃった」
「ジャーン、完成です!これから毎日、オリジナルの櫛で髪の毛をとかすぞ!」