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中日新聞ほっとWeb HOME > 遼河はるひの美食リポート > みそ串かつ(昔の矢場とん)
  • 第55回
  • みそ串かつ (昔の矢場とん)

名物の「みそかつ」がない
「“昔の”矢場とん」!?
遼河さん
みなさま、明けましておめでとうございます。コロナ禍で迎えた2021年も、新しい生活様式の下で感染対策を実施しながら、「美味しい情報」を発信してまいります。今年もどうぞよろしくお願いいたします。新年第一回目のお店は、皆さんご存知の「矢場とん」です。甘めのみそだれをたっぷりかけた「みそかつ」が食べられる〜!ってよろこんでいたら……ここには「みそかつ」がないんですって!?いったい、どういうことかしら?

門外不出の秘伝のみそだれと、
串かつの絶品コラボ!

向かった先は、パソコンショップから雑貨店、古着店、スイーツ店など、バラエティ豊かな店が軒を連ね、名古屋屈指の観光地でもある大須商店街です。目的地の「昔の矢場とん」は、日本三大観音の一つとして知られる大須観音の東隣にあります。広報部宣伝課長のぶーちゃんが描かれた暖簾をくぐると……店内にはなんともいえない甘〜いお味噌の香りが漂います。これは、名古屋人ならずとも、食欲をそそられるに違いありません!
ここ「昔の矢場とん」は、創業当時の「矢場とん」をコンセプトに、2020年10月にオープンしたばかりのお店です。実は……昭和22年に開業した「矢場とん」の1号店は、いまのようなとんかつ専門店ではなく、南大津通四丁目電停前(昭和49年まで名古屋にも路面電車が走っていたんですよ)の大衆食堂でした。その1号店をイメージした店内は、どこか懐かしいレトロな雰囲気。さらに串かつやランチメニューが充実していて、料理も原点回帰しているんですよ。
私は眺めのいい2階席で、さっそく「串かつ」(1本150円)をいただくことに。立ち上る湯気と甘いみそだれの香りに、たまらずひと口!サクサクの衣にジューシーな豚肉、熱々のみそだれのコラボは、まさに何本でも食べられてしまう美味しさです。その秘訣を、店舗営業部長の千野広仁さんに尋ねると「南九州産の厳選した豚肉、パン粉、油、みそだれなど、すべて矢場とん名物のみそかつと同じものを使っています」とのこと。なるほど!このひと串に、行列のできるみそかつのすべてが、ギュっと詰まっているんですね。それは、美味しいはずです!
  • 2階の壁には、ぶーちゃん七福神がのった宝船が!新年早々、良いことありそうです。

  • 「自慢の串かつをどうぞお召し上がりください」と千野さん。

  • 一年半熟成させた天然醸造の豆味噌を使用した、門外不出のみそだれをたっぷりかけた串かつ。

  • 食べる前からこの笑顔!香ばしく揚がった衣にじゅわぁぁ〜と染みたみそだれがたまりません!

真っ黒だけど
やさしい味わいのみそおでん

串かつと一緒に、ぜひ味わって欲しいのが「みそおでん」(大根300円ほか)。45年ぶりにメニューに復活したもので、他の矢場とんでは味わうことのできない、ここだけの一品です。その真っ黒な見た目に、初めて見る人はとても驚かれるそうですが……味が濃そうな見た目とは裏腹にさっぱりしているんですよ。その秘密は、秘伝のおでんスープ。材料はみそかつのみそだれと同じですが、大根やたまご、牛すじなど、おでんダネの持つ味わいを生かすため、製造工程にひと手間加えているそう。さらに、仕込み時の調理時間と温度にもこだわりが。大根は7日間、たまごは3日間……じっくり時間をかけて仕込むのですが、決してグツグツと煮立たせないのがポイントなんだそう。約60度をキープすることで、大根は中までしっかりと味が染み、たまごはなんと半熟状態で仕上がっています。ほかにも、肉本来のうまさが際立つ豚角煮、だしとしても欠かせない牛すじなど、どれも本当に美味しい!そして、一緒にいただいたオリジナルワインには、ちょっと素敵なストーリーが……。「クリスマスといえばフレンチ!という時代、ご来店いただいたお客さまに、女将がせめてものサービスとしてお出ししていたのがこのワインです」(千野さん)。まだ1店舗しかなかった時からクリスマスの時期になると、女将さんが感謝の気持ちを込めてサービスしていたワインは、串かつともみそおでんとも相性抜群です!
  • これぞ名古屋のみそおでん。お好みで一味唐辛子やからしをつけて召し上がれ!

  • 7日間かけて仕込まれた大根をいただきます。みそだれがしっかり染みて真っ黒な見た目ですが、とってもやさしい味わいです!

  • 黄身が半熟に仕上げられたたまご。白いご飯にのせて食べても、美味しいだろうなぁ……。

  • 人々が行き交う商店街を眺めながら、「矢場とんワイン」(ハーフボトル1,500円)を。

遼河はるひの体験後記

遼河はるひの体験後記アイコン
終戦直後のとある屋台で、串かつをどて鍋にドボンと浸して食べてみたら美味しかった。そんなエピソードから生まれた、「矢場とん」のみそかつ。「昔の矢場とん」では、その創業当時の雰囲気と懐かしい味にこだわった串かつがいただけます。「いまの50~60代の方々が『ナゴヤ球場のみそ串かつ、懐かしいなぁ』と言ってくださるように、いまの若い方々にも『大須で串かつをよく食べたね』と懐かしんでもらえるソウルフードをめざしています」と千野さんが熱い思いを話してくれました。
遼河はるひの体験後記

1階の壁には、タイルで描かれた富士山が!テイクアウト専用の窓口も併設されています。

SHOP DATA

昔の矢場とん

https://www.yabaton.com/

【住所】愛知県名古屋市中区大須2-21-32
【電話】052-202-8810
【営業時間】11:00~21:00(L.O.20:30)
【定休日】なし

※価格は税込表記です。

  • 遼河はるひプロフィール
  • 遼河はるひ

    愛知県名古屋市出身。元宝塚歌劇団・月組男役スター。高校生の時に初めて観た宝塚に魅せられ、1994年、宝塚史上もっとも倍率の高い年に宝塚音楽学校に入学。1996年、宝塚歌劇団入団。
    数々の舞台を経て、2009年退団。退団後は、女優・タレントとして活動。バラエティ番組にも多数出演し、活躍の幅を広げている。

    舞台 『アニー』(2016年)
    『エリザベート』(宝塚歌劇団2009年)
    映画 『はなちゃんのみそ汁』(2015年)
    ドラマ 『癒し屋キリコの約束』(2015年)