名古屋おもてなし武将隊が、中日新聞販売エリア統一を目指し、平成の世に誕生した新しいスポットを巡ります。毎回、中日新聞の地方版ごとに分けられたエリアをたずね、そのエリアを代表するスポットをご紹介(制覇)。
第七回目は、陣笠隊の一之助と章右衛門が「東三河版エリア」を訪れました。
1,000m級の山々が連なる愛知県北設楽郡設楽町で清流と自然の恵みを体感できる2つのスポットをご紹介!
今回、仲良しの一之助と章右衛門が訪れたのは、名古屋から90キロメートルほど離れた山間に広がる設楽町です。
総面積の約9割が森林という自然豊かな町に到着した2人は……。
「設楽町には、知る人ぞ知る釣りの穴場があると聞いたでござりまする」(一之助)。「よーし! ならば、どちらがたくさん釣れるか、勝負と参ろうではないか!」(章右衛門)。
2人とも釣り初心者にも関わらず、段戸湖を戦場にルアーフィッシングに挑戦します。段戸湖とは、県内最大級のブナの原生林を有するきららの森にある人工湖。約2ヘクタールに広がる湖には、矢作川の上流にあたる清流が流れ込み、ニジマスなどが放流されています。
「周囲を緑に囲まれた、なんとも気持ちのええ場所でござりまするの」(章右衛門)。「あそこに、ベテランの釣り師とお見受けする方がござります。釣りの指南を仰ぎましょう」(一之助)。
標高917メートルに広がる段戸湖の年間平均気温は25.8度。10月下旬には周囲の原生林が色づきはじめ、散策にも最適です。
「我が人生、初めての釣り体験でござります」(章右衛門)。「たくさん釣ってみせまする?!」(一之助)。
記念すべき一投目。周囲の釣り師たちからは「筋がいい」とお褒めの言葉をいただきました!
次の瞬間、章右衛門の竿がしなります。「き、きたぁ?!!」(章右衛門)。「どうせ地球でも釣ったのではござらんか」(一之助)。
かかったのは、30センチ弱のニジマスです。「実は……ワシ。生きておる魚をさわるのは苦手でござりまするのじゃ?」(章右衛門)。
生きている魚が苦手という章右衛門が、2匹目を釣り上げる隣で一之助は……。「きたっ! と思ったら、これは枯れ葉ですの……」(一之助)。
あきらめがつかない一之助。場所を変えて釣ってみるものの、まったくヒットしません。「トホホ……。無念です」(一之助)。
地元の間伐材の有効活用から生まれたランプシェード作り。「せっかくなので、織田家と前田家の家紋に挑戦しましょう」(宮本さん)。「これは、失敗できませぬの……」(2人)。
段戸湖の釣り対決で惨敗した一之助。
「設楽町には、国内のチェーンソーアート第一人者がおられると聞いたでござりまする」(一之助)。
「ならば、弟子入りをして、どちらの手先が器用か、またまた勝負と参るかの!」(章右衛門)。
続いての戦場は、設楽町の山間にある「工房 もしかしたら」。2001年にアメリカで開催されたチェーンソーアート大会で優勝した経歴を持つ、宮本さんの工房です。
「師匠、ぜひ1日弟子入りをさせてくださりませ」(一之助)。
「なにか、木を使った作品を作ってみとうござりまする」(章右衛門)。
そんな2人に宮本さんは、ご自身が考案したランプシェード作り体験をすすめてくれました。中をくりぬいた間伐材の丸太に、さまざまな模様を彫ったランプシェードは、木のぬくもりとやわらかな光で人気の作品です。
まずは、ドリル使いのお手本を拝見。「すごい勢いで、穴があきますの」(章右衛門)。「ヒノキの香りがたまりませぬ」(一之助)。
「まずはドリルで穴をあけ、ジグソーで模様をくりぬくでござりまする」(一之助)。「電動工具はなんと便利なことか」(章右衛門)。
織田家の家紋は一之助、前田家の家紋は章右衛門が担当。「これ、ワシの方が複雑だで、不利でござりまする」(一之助)。
一之助のぼやきはさておき……。2人とも見事に電動工具を操り、上手に家紋をくりぬいていきます。
模様をくりぬいた後は、電動のサンダーで全体を磨き上げます。2人とも、あまりに集中しすぎて、撮影中は終始無言……。
「見事、彫り終えたでござりまする」(一之助)。「一之助が間違うて1か所折ってしまったことは、ここだけの秘密にしておこう……」(章右衛門)。
続いて、丸太の内側に貼る和紙を真剣に選ぶ2人。「やはり、ここはワシらのテーマカラーといたそう」(章右衛門)。
テーマカラーのピンクの和紙を真剣に貼る一之助。「この和紙は、師匠が美濃で買い付けた、美濃和紙でござりまする」(一之助)。
これが、完成作品! 家紋と2人のテーマカラーが見事にマッチしています。「初めてなのにここまでできるとは。2人ともさすがです」(宮本さん)。