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  • vol.13
  • ワサビ

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水の都の豊かな湧き水で育てられたワサビは
さわやかな辛さとまろやかな甘みが特徴です。

色とりどりの野菜に、みずみずしいフルーツ……毎日の食卓をゆたかに彩る新鮮な農産物。
「ほっとマルシェ」では、伝統野菜や新顔野菜、全国にほこる野菜など、意外と知られていないご当地の農産物を紹介します。地元で生産されているものを知るだけで、毎日の食卓がさらに楽しくなるかも!?
第13回は、岐阜県大垣市の新しい特産品として注目を集める「名水わさび」のワサビをご紹介。ワサビの産地といえば、静岡県や長野県が有名ですが……。実は、大垣市の地下水が最高級ワサビを育てるのに適していると、2007年から栽培がスタート。さらに、栽培にあたり農薬や肥料は不使用のため、花芽(3月ごろまで)や葉っぱ(通年)まで、すべて美味しくいただけます。今回は、「名水わさび」の栽培のこだわりやおすすめの食べ方などを教えてもらいました!

ワサビの豆知識

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●歴史
ワサビは日本原産で、奥深い自然の中の清流などに自生。飛鳥時代の薬草園から発掘された木簡や、平安時代の薬草事典にワサビ(表記は異なる)の記載があることから、古くより薬草として利用されてきたことがわかります。江戸時代初期には、伊豆地方の村人が駿府城の徳川家康にワサビを献上。それをたいそう気に入った家康が、現在の静岡市で門外不出の栽培を始めたと言われています。江戸時代後期には、握り寿司がブームとなり、広く使われるようになりました。
※諸説あります。
●品種
ワサビは大きく分けると、赤茎系の真妻(まづま)と青茎系の正緑(まさみどり)の2種類に分けられます。ちなみに、「沢ワサビ」や「畑ワサビ」は栽培方法の違いで、品種の違いではありません。
・赤茎系の真妻・・・ 生育が遅く、植え付けてから収穫までに2年ほどかかります。茎はほんのり紫色で、根茎はきめ細かく硬質。辛味と甘みのバランスが特徴です。
・青茎系の正緑・・・ 生育が早く、1年ほどで収穫が可能。美しい緑色や、みずみずしい根茎が特徴です。
・赤茎系の真妻・・・生育が遅く、植え付けてから収穫までに2年ほどかかります。茎はほんのり紫色で、根茎はきめ細かく硬質。辛味と甘みのバランスが特徴です。
・青茎系の正緑・・・生育が早く、1年ほどで収穫が可能。美しい緑色や、みずみずしい根茎が特徴です。
●さらに深掘り!
チューブ入りワサビの多くは、東ヨーロッパ原産の西洋ワサビを使用。この西洋ワサビの辛さは日本のワサビの約1.5倍あり、ホースラディッシュ、レフォール、山ワサビと呼ばれています。製品に「本ワサビ」と書いてあるものは、日本原産のワサビが使われていることを表しています。
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大垣市の豊富な地下水でワサビを栽培する
「名水わさび」2代目筑間 隆司さんからのメッセージ

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私がワサビ栽培にのめり込んだきっかけは、岐阜県にある自宅の敷地で自生のワサビを発見したこと。叔父の山から湧き水を引いていたのですが、そこにワサビの葉っぱが生えていたんです。それを醤油漬けにして食べたら、とても美味しかった。これは面白いと感じ、すぐにホームセンターで「たらい」を購入して、ワサビ栽培の本を教科書に畳石式風のワサビ田を自作。当時、自動車関連の会社に勤めていたため、仕事が終わると真っすぐ帰宅し、ワサビ田をチェックするという毎日でした。そのうち、それでは飽き足らず、大垣市で唯一ワサビ栽培をしていた「名水わさび」の初代・坂野さんに頼み込み、ハウスを1棟借りて週末を中心にワサビの栽培を始めました。それから約2年間、ワサビ栽培に夢中になっていたら、坂野さんから後継ぎの話をいただき、一念発起で会社を辞めて「名水わさび」を受け継ぎ、2代目となりました。
現在「名水わさび」では計20棟のハウス、750坪の敷地で真妻を栽培しています。真妻は料亭やホテルのレストランが好んで使う高級ワサビなのですが、栽培が難しく全国でも生産量がごく少ない貴重な品種。偶然にも大垣の地下水が、その真妻に最適だったんです。大垣は水の都と称されるように、豊富な地下水に恵まれています。「名水わさび」も3本の井戸から自噴する地下水を使用。水温は年間を通し常に13度、石灰を採掘していた金生山が近くにあるので石灰分を豊富に含む弱アルカリ性の軟水です。栽培時には農薬も肥料もいっさい使用していないため、アブラムシやその他の害虫を独自の方法で駆除するなど、さまざまな工夫をしています。地下水はワサビ田を流れて、遡上した鮎が泳ぐ水路へと注がれているんですよ。
自宅で生のワサビをいただく際には、ぜひ頭の方(茎側)からおろしてください。頭の方が甘みと旨味が強く、根っこの方には強い辛味と少々の渋みがあります。また、できるだけ目の細かいおろし器で、力を入れず「の」の字を書くようにおろしてくださいね。すりおろした直後は苦いため、2~3分待ってから食べてください。ただし、5分以上経つと、気が抜けてしまうので、注意が必要。真妻のさわやかな辛味と、まろやかな甘みは、刺身やステーキをいっそう美味しくしてくれますよ!
  • 先代がひょんなことから始めたハウス栽培。露地栽培が一般的なワサビでは、珍しい光景です。

  • 水温13度の弱アルカリ性の軟水である地下水が自然に流れるように、ワサビ田には少し段差がつけられています。

  • 12月下旬から3月まで咲く花が、一番辛味の強い部分。サラダの彩りや料理のアクセントにも使われるそうです。

  • 直売所に併設された作業場で、収穫した根茎や葉などを地下水できれいに洗いながら選別します。

  • 青々とした葉は醤油漬けがおすすめ。ワサビ独特の香りと辛味が味わえます。

  • 花芽が楽しめるのは、12月下旬から3月まで。白い小さな花ですが、口に含むとしっかりと辛いのにびっくり!

  • 直売所では、名水わさびで収穫した真妻を加工した商品を販売。どれもワサビの辛味と風味が生きる自慢の逸品です。

  • 生のワサビや加工品の詰め合わせは、贈り物にも人気です。真妻の辛味と甘みのバランスを味わってください!

DATA

名水わさび

【住所】
岐阜県大垣市曽根町1-599-22
【電話】
090-5116-2903
【営業時間】
10:00~17:00
【定休日】
火曜日、不定休


筑間さんおすすめの食べ方は、炊きたてのご飯にかつお節をかけて、その上におろしたワサビをのせ、醤油を数滴垂らしていただくワサビ丼。ワサビの辛味は熱で飛んでしまうため、ご飯とワサビをふれさせないのがポイントです。
ワサビ田の目の前には直売所があり、生のワサビや加工品を販売。ほかにも近隣の道の駅や、毎週土曜日にオアシス21で開催される「オーガニックファーマーズ朝市村」(vol.01を参照)などでも購入できます。詳細はHPをチェックしてください。