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  • vol.08
  • イチジク

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    名産品

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母娘二人でつくり始めた樹上完熟イチジクは
芳醇な香りと、とろけるような食感が絶品です!

色とりどりの野菜に、みずみずしいフルーツ……毎日の食卓をゆたかに彩る新鮮な農産物。
「ほっとマルシェ」では、伝統野菜や新顔野菜、全国にほこる野菜など、意外と知られていないご当地の農産物を紹介します。地元で生産されているものを知るだけで、毎日の食卓がさらに楽しくなるかも!?
第8回は、漢字で「無花果」と書くイチジクをご紹介。とろけるような食感と独特の甘みが楽しめる生食はもちろん、ジャムやパン、ケーキにも定番の果実です。真夏の熱気に紛れ、どこからともなく運ばれてくる青っぽくミルキーな香りを懐かしく感じる方も多いのでは。8月から10月にかけて旬を迎える露地栽培のイチジクは栄養価も高く、夏バテ気味の身体にもおすすめです!

イチジクの豆知識

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古代エジプトの壁画や旧約聖書に記されるなど、長い歴史を持つイチジク。誕生は約6000年前のアラビア半島とされ、ヨーロッパからペルシャ、中国へと伝わり、日本には江戸時代に長崎に運ばれてきました。当時は薬用として栽培されていたそうです。
愛知県内でイチジク栽培が本格的にスタートしたのは、昭和40年ごろ。現在では、栽培面積、収穫量、産出額ともに全国1位(※)を誇り、県を代表する名産品となっています。
イチジクは、漢字で「無花果」と表すため、花を咲かせないと思われがちですが、果肉の中にある赤い粒々の一つひとつが花にあたります。つまり私たちは、小さな花の集合体をイチジクの実として食しているのです。また、食物繊維やビタミン類、カルシウム、鉄分などのミネラルを多く含み、美容と健康に良いと言われています。
※出典:平成28年度特産果樹生産動態等調査、平成29年生産農業所得統計
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「完熟今朝採り」にこだわる一宮市のイチジク農家、
「ファーム大しま」の大島千恵子さんからのメッセージ

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私と娘の美智子がイチジク栽培を始めたのは、平成8年のこと。それまでは、一宮市で3代続く農家として、さまざまな野菜をつくってきました。しかし、夫の体調不良などがあり、収穫量を減らすなど後ろ向きの状況だったんです。そんな中、音大を卒業してピアノ講師として活躍していた娘の美智子が、我が家の土地を生かすため農業に挑戦したいと言い出し…。夫に反対されながら、なにか母と娘の女二人でできるものはないかとさまざまなところで情報を収集。たどり着いたのが、市内では珍しいイチジクでした。
農地はありましたが、それ以外はすべて一からのスタート。安城のイチジク農家さんなどに指導をいただき、畑に挿し木を植えるところから始めました。当時は周囲から冷ややかな目で見られながら、鳥や害虫に対抗する日々。できるだけ農薬に頼りたくなかったので、鳥よけのネットを張るために、娘と二人で鉄パイプを組んだり、害虫除けにも効果のある反射シートを敷いたり、試行錯誤を続けたんですよ。大雪で鉄パイプが曲がり、大切な樹が折れる災難にも見舞われましたが、その都度娘と二人で乗り越えてきました。
ファーム大しまのイチジクの最大の特徴は「完熟今朝採り」です。樹上で完熟させたイチジクを早朝に収穫して、その日のうちに名鉄百貨店 一宮店や、近隣JAの直売所などに並べてもらっています。そのため、果肉はとろけるように柔らかく香りは芳醇。その反面、とてもデリケートで、風が吹くだけでも傷がついてしまい、出荷できなくなることも。そのロスを解消するため、出荷できないイチジクをジャムやコンポートに加工する工房を併設しました。加工に使用するイチジクも「完熟今朝採り」のため、生食と同じような風味を味わっていただけます。樹上完熟のため、傷みやすいのは泣きどころですが、味と見た目はどこにも負けない自信があります。ぜひ、一度ご賞味ください!
  • その日の早朝に収穫したイチジクの実はふっくらとハリがあり、鮮やかな色づきが特徴です。

  • ファーム大しまでは定番の品種、桝井ドーフィン以外にも、バナーネ(黄イチジク)、ビオレソリエス(黒イチジク)など珍しい品種も栽培。

  • イチジクは、主幹からその年の春に伸びた枝に実がなります。有機質肥料である稲わらなどを導入し、エコファーマーにも認定されています。

  • 繊細なイチジクを守るため、果実に雨よけのフィルムをかぶせるなど、手間は惜しみません。

  • 樹上完熟のイチジクの実は、とても柔らかくてデリケート。手作業で一つずつ丁寧に収穫します。

  • 軸の方から皮をむいていただくのが、おすすめの食べ方。ファーム大しまのイチジクは柔らかいため、皮ごと食べる人もいるそうです。

  • 出荷できなかった朝採れ完熟イチジクは、畑に隣接した工房でジャムなどに加工されます。

  • 完熟イチジクを皮ごと煮込み、丁寧に乾燥したグラッセ。ブルーチーズと一緒にいただくと格別です!

DATA

ファーム大しま

【住所】
愛知県一宮市丹陽町九日市場2852
【電話】
0586-77-0975
40アールの果樹園で、みずみずしく食べごたえのある品種、桝井ドーフィンなど、約5種類のイチジクを栽培。「完熟今朝採り」にこだわり、シーズン中は毎朝5時ごろから収穫をスタート。イチジクは収穫したその日のうちに、名鉄百貨店 一宮店や近隣JAの直売所などに並びます。イチジクやその加工品などをファーム大しまで直接購入を希望される方は、事前にお問い合わせください。