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中日新聞ほっとWeb HOME > ほっとマルシェ > 愛知大晩生(だいばんせい)(愛知県名古屋市)
  • vol.02
  • 愛知大晩生(だいばんせい)
    キャベツ

  • Category
    伝統野菜

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木箱入りで関西に出荷されていた
貴重な大玉キャベツの農家さんを直撃!

色とりどりの野菜に、みずみずしいフルーツ……毎日の食卓をゆたかに彩る新鮮な農産物。
「ほっとマルシェ」では、伝統野菜や新顔野菜、全国にほこる野菜など、意外と知られていないご当地の農産物を紹介します。地元で生産されているものを知るだけで、毎日の買い物がさらに楽しくなるかも!?
第2回は、あいちの伝統野菜に認定されている「愛知大晩生キャベツ」をご紹介。ダイコンに次いで国内生産量の多い野菜、キャベツにも、実はさまざまな種類があるんです。中でも名古屋市中村区岩塚で誕生したという「愛知大晩生キャベツ」の魅力とは…?

あいちの伝統野菜とは

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温暖な気候と豊かな水や土に恵まれた愛知県では、古くから野菜づくりが盛んに行われてきました。当時は優れた品種を生み出す種苗業者や農家も多く、野菜づくりの発展に大きく貢献。実はこれらが、普段みなさんが目にする野菜のルーツだったりするのです。現在では、そんな昔ながらの野菜を見かける機会が少なくなってしまいました。愛知県では、歴史的・文化的遺産として見直すと同時に、再び身近な野菜に感じてもらうことを目的に、4つの定義を満たす35品を「あいち伝統野菜」として認定しています。
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葉肉が厚く、葉脈が太い大玉キャベツは
炒め物や煮物に最適です!

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葉物野菜の中でもなじみの深いキャベツは、ヨーロッパの地中海沿岸が原産地と言われています。日本では、江戸時代末期に栽培がスタート。現在では甘みが強い冬キャベツ、葉が軟らかくサラダなどに最適な春キャベツ、高冷地で栽培される夏秋キャベツと、一年を通じてさまざまな品種が収穫され、私たちの食卓に欠かすことのできない野菜の一つとなっています。
昭和20年代後半に名古屋市中村区で誕生した「愛知大晩生キャベツ」は、最大5kgの大玉になるのが特徴。やや波打った葉は厚みがあり葉脈が太いため、サラダには向きませんが、加熱するとザクザクとした独特の歯ごたえと深い甘みが楽しめます。しかし、暑い真夏に定植する難しさから、年々生産する農家が減少。貴重なあいち伝統野菜の一つにあげられます。
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「愛知大晩生キャベツ」を栽培する
農家・二村さんからのメッセージ

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「愛知大晩生キャベツ」はもともと岩塚キャベツと呼ばれていて、中村区岩塚の農家、故・山田定勝さんが開発した品種なんです。今でこそキャベツは年中収穫できますが、当時は2月にピークを迎え、4月ごろには市場からパタッと姿を消す野菜でした。そこで、4月以降でも収穫できるキャベツをつくろうと、山田さんが研究に研究を重ねた末、改良に成功。最初は名古屋近辺の枇杷島市場、駅前市場、熱田市場の3か所に出荷していたんですが、通常キャベツが出回らない時期だからとても目立ちすぐに評判になりました。すると関西からも引き合いがあり、山田さんを中心に共同で出荷できる体制を整えたんです。近所の農家20〜25軒で栽培をし、コンテナ車両1台分にキャベツを載せて関西へ出荷していましたね。「愛知大晩生キャベツ」は関西市場でも大人気となり、神戸まで進出し、一時は木箱に入れて出荷するほど重宝されました。
私の父が「愛知大晩生キャベツ」の栽培を始めたのは、私が中学生の頃。今から65年ほど前のことです。それから毎日のように畑仕事を手伝い、我流で栽培方法を学びました。最近では、つくり手の高齢化が進み、「愛知大晩生キャベツ」をつくる農家も減少しています。特に大玉になる「愛知大晩生キャベツ」は、収穫して出荷するまでの作業が重労働なんです。近年は小玉化されてきていますが、それでも大変。さらに、暑い7月に種を蒔き、8月に定植するという作付けにも苦労します。土が一番乾燥しやすい時期なので、散水したりよしずをかぶせて日よけをしたり…。そんな苦労を続けながらも、「愛知大晩生キャベツ」を楽しみに待ってくれる人々のために、できるだけ長く栽培し続けたいと思っています。
「愛知大晩生キャベツ」はなんと言っても甘みが強く、ザクザクとした歯ごたえがあり、本当に美味しい。野菜炒めや焼きそば、お好み焼きなどの鉄板料理に最適です。ロールキャベツなどの煮込み料理にすると、さらに甘みが増します。どこかで「愛知大晩生キャベツ」を見かけたら、ぜひ一度食べてみてください。
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    2代に渡り「愛知大晩生キャベツ」を栽培する二村さん。二村さん家族も、「愛知大晩生キャベツ」の大ファンだと言います。

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    大きな「愛知大晩生キャベツ」は、こんなにも小さな種から生まれます。昨年の猛暑の影響か、今年の収穫は過去最低だと二村さんは嘆きます。

DATA

JA なごや

JAなごやでは、名古屋市内で収穫された新鮮な野菜を販売する「朝市」「青空市」「なごやさいマルシェ」を開催しています。貴重な伝統野菜が並ぶこともあるため、ぜひチェックしてください。詳細はHPにアップされます。