前置きが長くなってしまったが、今回はその名古屋の魅力を代表する観光資源、名古屋城である。子供の頃、「おわりなごやはしろでもつ」という言葉の意味がよくわからず、「何かが終わって、名古屋は城で何とか持っているようなものだ」というような意味の、ことわざか何かだと思っていた。後にこれが「伊勢は津でもつ津は伊勢でもつ尾張名古屋は城でもつ」という「伊勢音頭」の一節だと知って、では相当に古くからあるのだろうし音頭の歌詞ならネガティヴな意味ではないだろう、というところまではたどり着いた。
名古屋城はやはり地元の誉れなのだろうなあ、と思ってもみたが、東京の人が東京タワーに登ったことがない、大阪の人が通天閣に登ったことがないと言うように、地元に住んでいれば優先順位が後回しになるものなのだろうか。
広々とした通りを歩いて本丸御殿に向かいます。編集長曰く「しゅー」っと続くこの通り、祭りやイベント開催時には屋台が立ち並びとても賑やかなんですよ。
さて、美人の広報の方に案内していただきつつ敷地内に入った。その敷地の直線加減に驚いた。すこぶるすっきりとしていて、天気が良かったせいもあるがあまりの清々しさに息を飲んでしまった。戦国時代にできた城だと、攻め込まれないように造りや敷地、通路を複雑にするものではないかと思うのだが、ここはあくまでもしゅーっとしているのだ。もともと台地で西側と北側は水堀や湿った低地、そして南と東は広い空掘で防御していたとかで、平たい場所の立地としては防衛力に優れていたのだろう。
さて、ここには京都の二条城の二の丸御殿と双璧だったといわれる本丸御殿があった。それが1945年の空襲で焼けてしまい、長年の間蘇生が望まれていたが、2009年から始まって現在も再建中だ。その一部は完成していて、本丸御殿の対面所、下御膳所が6月から公開されている。素晴らしいものだが、なかなかその魅力は言葉では伝えにくい。さぞ苦心されただろうなあ。この計画を実行できるのは、奇跡的に図面などの資料が残されていたからこそだそうだ。
さて、続いては天守に登ってみよう。ということで、詳しくは次号。ええええーっ!?
1960年5月11日生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト、“折り顔”作家、カレー店「般°若」店主など幅広い分野で活躍。
著書にPHP新書「なぜ宇宙人は地球に来ない? 笑う超常現象入門」等多数。
2016年7~8月、ミュージカル「マイ・フェア・レディ」に出演。
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