大須界隈を歩いていると、ちょっとばかり奇妙な形をした信号が浮かんでいるのを見つけた。浮かんでいるというのも変だが、交差点の中央の頭上に設置されているのでそう感じてしまうのだ。正方形で、さほど広くない道同士の交差点で、わりと低めの位置にあるので、普段はあまり意識しない信号機の巨大さを感じる。四角の内側が歩行者用、外側が自動車用で、作りは合理的なのだ。聞くところによると地元名古屋の会社が製造しているらしい。もともとここには信号がなく、事故が多発していたので地元の要望で設置されたそうだ。この地中に水道管などの既存の設備が這い回っていたので、影響しないための消極的選択で隠れた名所ができたのだとか。(2013年7月24日付中日新聞による)
さて、仕上げに庶民的な焼き鳥の老舗「角屋」へ。名前の由来は想像通り。値段がリーズナブルで、長い間に店を少しずつ広げたのかなあと想像させる造り。備長炭の箱があるので、使っていた事があるのかもしれない。素朴な人柄(多分)の親父さんは二代目だそうで、店の角から道路に面した焼き台で三代目の息子さんがせっせと焼くところへ、背中から注文が入る。
天井からぶら下がった拡声器をおかみさんが掴んで大声で注文を通すので、すぐそばのカウンターで飲んでいる客はいちいち体を浮かせて驚く事になる。
そう、息子さんは道路に向かって焼いているので、大通りの騒音で店内からの肉声では注文を通す声が聞き取れないのだ。
『カウンターで寝ていた客もかくせいし』