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  • 第30回
  • ヤマサちくわ株式会社 (愛知県豊橋市)

なぜ、ちくわの両端は白いのか…。
皆さんご存知ですか?
佐井さん
皆さん、突然ですが「ちくわ」と聞いて、どんなものを想像しますか?「両端が白く、真ん中がこんがり焼けている」そんなイメージをお持ちの方も多いのでは?それはまさに豊橋ちくわのスタイル!今回は、そんな豊橋ちくわの元祖、ヤマサちくわ(以下、ヤマサ)にお邪魔します。
豊橋ちくわの両端がなぜ白いのかというと……。時は大正時代に遡ります。原材料にこだわった高級品の豊橋ちくわは、塩漬けにされた状態で飯田街道(塩の道)を通り、長野県まで運ばれていました。しかし、中央線の開業とともに長野県には三陸産のちくわも出回るように。当時、豊橋産も三陸産も見た目が同じだったため、「パッと見て区別できるように」と、両端だけ白くなるよう焼き方を工夫したのが始まりだそう!今では、大手水産会社が販売するちくわも両端が白いものが多いですよね。そんなちくわの定番を作った、豊橋ちくわの元祖を直撃です!

豊橋ちくわの美味しさの秘密と、
その驚きのこだわりとは?

まずはその歴史を佐藤社長に伺いました。
豊橋で魚問屋を営んでいた佐藤善作さんが、文政10年(1827年)に四国の金比羅宮で名物のちくわを食べ、その美味しさに感動!豊橋に戻るとすぐに、ちくわ作りを始めます。新鮮な魚はもちろん、醸造文化が盛んな三河には、みりんなど、ちくわ作りに必要な原料がそろっていたのです。それらを原料としたちくわは、美味しいと評判も上々。そんなちくわが豊橋名物として広く知られるようになったキッカケは、駅のホームでの「立ち売り」です。昭和初期に国鉄・豊橋駅のホームで立ち売りをしたところ、旅行者のお土産として重宝され、全国にその名が知られるようになりました。当時は朝、ちくわが焼きあがると、木箱に詰め、肩にかけて売ったそうです…。この木箱がとても重たかったので、スタッフさんは苦労したそうです。
そんなヤマサのこだわりは、「新鮮で美味しい魚を使うこと」。まず、前日に水揚げされた魚を早朝から本社工場の職人総出で、テンポよく頭と内臓を処理します。これなんと、すべて手作業!ひゃー!!このあとの「水さらし」という作業も大切なポイント。豊川の伏流水を使い、約20分かけて魚の旨味だけを残しつつ、魚肉の色が変わるまで水にさらします。次に脱水した魚肉を石臼ですり潰しすり身にするのですが、約100キロの魚肉を石臼に出し入れするので、かなりの重労働だそう!プリプリとした食感を出すために、約40分かけてじっくりと練り上げます。現在は練り上げる作業は電動になっているそうですが、練っている最中に塩を入れる「すり出し」という作業は手作業。魚の種類や鮮度・季節・気温、すり身の色つやを見極め、職人が塩を入れるタイミングや量を微妙に調整するとのこと。これは、簡単に真似できませんね。こうして手間暇かけて作ったすり身は、成形と焼成の工程に入ります。もちろん、焼き台にもこだわりがたっぷり。炭火に近づけるため、炎とちくわの間に鋳物を挟んだオリジナルの焼き台を使用。こちらも、機械まかせではなく、職人が目を光らせ火力や鋳物の調整などを行なっています。とにかく機械に頼り切らない、ちくわ作りへのこだわりは見事です!
  • アイデアマンな代表取締役社長、佐藤元英さん。社長曰く「ちくわの焼けた皮の部分が一番美味しい!」だそうですよ!

  • 佐藤社長は水産庁から、魚の素晴らしさを伝える「お魚かたりべ」に任命されています。

  • こんがりと焼き色がついた部分と、白色の部分のバランスが大切なんだそう。

  • ちくわをパクリ。う~ん、歯切れの良さと皮の香ばしさ、深みのある味わいは、ヤマサのちくわならでは。美味しいなぁ~♪

美味しいだけじゃない!
ユニークなちくわが続々登場!!

美味しいちくわのために、新鮮な魚を仕入れているヤマサ。ちくわ以外にも、面白い商品をいろいろと手がけているってご存知でしたか?その一つが「えそ醤油」。ちくわの主原料となる魚「えそ」を使用した魚醤です。毎日鮮度のいい魚を仕入れているのだから、ちくわ以外になにか商品化できないかと、地元老舗醤油メーカー「イチビキ」と2年の歳月をかけて共同開発。 醤油のもつキレと、魚醤のもつコクのバランスがよく、お刺身につけたり、調味料としてもオススメとのこと。もちろん、ちくわとの相性も抜群です♪
次にご紹介するのは「ちくわスナック」!ポリポリ食感がやみつきになる、フリーズドライのちくわです。ちくわの旨味がギュギュッと凝縮されていて、お酒のおつまみにも最適!デンプンの多いちくわは簡単にフリーズドライできるそうなのですが、新鮮な魚を原料としたヤマサのちくわをフリーズドライにするのはひと苦労…。開発に2年ほどかかったそうです。
その他にも、刻んで揚げたちくわ入りのオリジナルラー油「ちくわラー油」、「えそそぼろ煮・ハモそぼろ煮」など、新鮮な魚、地元のみりんや味噌を使った美味しい商品を次々に開発しています。一品一品こだわっていて、どれも美味しいのでぜひチェックしてください♪
最後に発売日はまだ未定ですが、新製品「巻子ちくわ」を見せていただきました。こちらはちくわの皮だけを食べたい!という夢が叶う製品。あの香ばしく美味しいちくわの皮だけを巻物のようにぐるぐると巻き上げた一品。鶏皮のようにカットして、串に刺し炙って食べると絶品だったとのこと。個人的にはムシャムシャそのまま食べても絶対美味しいと思います♪お料理上手なそこのあなた!ぜひアレンジレシピを考えてみては?発売日は決まり次第、HPにアップされるのでマメにチェックしてね♪
  • えそ醤油は第8回調味料選手権2017最優秀賞受賞!魚醤独特のクセもなく、味わい深くて美味しかった~!

  • 旨味の詰まったえそ醤油をお湯で割ったものをちょっと味見。これだけで嘘みたいに美味しかった♪お料理に使うと、味に深みが出るんですって!

  • 私もお気に入りの商品、ちくわチップス。食べ始めると、手が止まらない!!

  • こちらが、巻子(かんす)ちくわ。社長一押しの、ちくわの皮の部分だけ食べられるユニークな商品です。

人事担当者からのメッセージ

地域に密着して190年、長く愛される「ちくわ」で食の楽しさを伝える会社です。求める人材は当社の思いへの共感を第一に、食べることが好き、人が好き、地域が好きな人。いくら知識や経験があっても、人は思いがないと行動に繋がりません。何にでも積極的にチャレンジする姿勢に、会社は応えたいと思います。
やりたい仕事が見つからないと、就職活動にだらだらと取り組みがちではないでしょうか。何をやるにしても先ず目標を定め、自己分析をしっかり行うことが重要です。そして、自分の強みを生かせる企業に就職できるよう、頑張ってください。応援しています。
河栗 弘明さん

総務部 早川尚宏さん

佐井祐里奈の体験後記

佐井祐里奈の体験後記アイコン
練り物業界が大きく変わったのが、スケソウダラの冷凍すり身が登場した昭和38年ごろ。水産資源不足の日本で、安価&安定的に調達できる冷凍すり身は、いっきに練り物の原料の主役に躍り出ます。大手メーカーも参入してお手頃価格な練り物が流通し始める一方、地場の練り物業者は徐々に姿を消し…。そんな中、鮮魚にこだわりちくわを作り続けたヤマサ。その思いは、「魚本来の味を楽しめる、本物のちくわの美味しさを味わって欲しい」というシンプルなもの。「本来は、生でそのまま食べて美味しいのがちくわだ」と佐藤社長。関東では、ヤマサのちくわのように生で食べて美味しいちくわを「生ちくわ」と表記して売っているところもあるとか。焼かなくても煮なくてもそのままで美味しいちくわ。これからも、一口一口噛みしめて大切にいただきますね♪
佐井祐里奈の体験後記

本社に併設された売店では、期間限定・季節限定の商品もズラリと並んでいます♪

COMPANY DATA

ヤマサちくわ株式会社
https://yamasa.chikuwa.co.jp/

ヤマサのちくわの原料には、新鮮なグチ、エソ、ハモを使用。これを工場の職人が丁寧にさばき、石臼で練り合わせ、味をととのえます。焼き加減も味を決める重要ポイントで、長年の修練と経験を持つ職人の技が光ります。つくりたての商品はその日の内に各売店に配送。製造、配送、販売まですべて自分たちで行う製造直販システムのため、販売する地域を箱根から比叡までと限定しています。直売店は本社に併設されているほか、駅やIC周辺などにあるので、HPでチェックしてください。

  • 佐井祐里奈プロフィール
  • 佐井祐里奈

    ツイッター:@yunna_s31 愛知県日進市出身。大学卒業後、宮崎放送(MRT)のアナウンサーとして活躍。2013年から拠点を名古屋に移し、テレビのリポーター、ラジオのパーソナリティ、イベントの司会など、活躍の場を広げる。趣味はアイドル研究。

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