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  • 第26回
  • 御幸毛織株式会社 (愛知県名古屋市)

かっこいいオーダースーツにワクワク♪
佐井さん
スーツをかっこよく着こなしている人とすれ違うと、思わず振り返ってしまうことってありませんか?その人が醸し出すイイ男&イイ女のオーラに、つい魅せられてしまうんです……。今回の取材先、御幸毛織でも、ビシッとかっこいいスーツに身を包んだ社員の皆さんが出迎えてくださいました。取材前に思わずうっとりしてしまいましたが、こだわりの生地づくりについてしっかりと取材してきましたよ!

「糸一本も他人に任せない」変わらぬ想いに感激!

まずは会社の歴史とこだわりなどを、生地企画部長の田口 秀典さんに伺いました。
御幸毛織の創業は、今から113年前の明治38年。創業者の祖父江利一郎氏は、一宮市で綿の栽培が盛んだったことに着目し、隣接する名古屋市に祖父江織布工場と祖父江染め工場の2つを立ち上げます。創業当時は綿を取り扱っていたのですが、濃尾地震の被害を受けて一宮の綿産業が壊滅状態に。それをきっかけに、一般市民の間で流行り始めていた洋服=毛織物に挑戦することになります。
その頃の毛織物は高級舶来品が中心でしたが、それに負けないものをと研究に研究を重ね、毛織物の一種である梳毛(そもう)織物の「御幸セル」を開発。大正2年にはその御幸セルが、セル中の覇王として名声を高めました。特徴は、なんといっても原料から服地まで自社一貫生産を守り続けていること。
その後、「良い服地は良い原料から」と、昭和55年にはオーストラリアにミユキ牧場を開設。さらに「南アフリカ・ミユキ チャンピオン モヘヤ トロフィー」を制定し、毎年優れたモヘヤを生産した牧場主を表彰するなど、モヘヤ業界の発展にも寄与しています。さらに、さらに!昭和55年は、盛夏用の生地として現在も愛されている「シャリック」が発売された大事な年。風通しが良く、サラッとしていて日本の夏にぴったりの商品です。
創業から変わらず「糸一本も他人に任せない」というポリシーを守り続ける御幸毛織は、現在世界でも高い評価を得ています♪世界に誇るジャパンクオリティーに、感激ですね!
そんな御幸毛織が、「ミユキ野球教室」というテレビ番組を制作していたことをご存知ですか?さらに、1978年からはプロ野球日本シリーズのMVPや優秀選手の表彰にも協賛♪毎年受賞選手には、御幸毛織の生地を使用した高級オーダースーツを贈呈しています。来年こそ!中日ドラゴンズの選手が受賞できるといいな~♪
  • 「最高の生地と体型に合ったパターンが、良いスーツの条件です」と、生地企画部長の田口さん。今度、オーダースーツに挑戦してみようかな?

  • 素材の違いは、触って実感!ひと言で毛織物と言っても、サージやトロピカルなどさまざまな種類があるんですよ!

  • 通気性抜群で日本の暑い夏にピッタリのシャリック。中から光を当てると文字が透けて見えます♪

  • 手前がモヘアの原糸で、奥が羊毛の原糸。モヘアはよく見ると、細かい毛がモフモフしています。

こだわりがいっぱいの工場見学へ!

四日市工場工場長の御厨輝義さんに、主力工場である四日市工場について話を伺いました。
生地ができるまでには、①羊の毛の刈り取り②糸を作る紡績③色を染める染色④布を織る製織⑤トリートメントを施して最終仕上げまで、さまざまな工程があります。通常これらの工程は分業制ですが、御幸毛織は「糸一本も他人には任せたくない」というこだわりの下、すべて自社管理で行なっています。特に大規模な設備を必要とする染色は、世界でも屈指の技術を誇っているそうです。すごいなぁ。
そんな御幸毛織の生地づくりにとって欠かせないものといえば、三重県四日市市の水。四日市市の水源の一つである智積養水は、非常に透明度が高く名水百選にも選ばれるほど。その良質な軟水を地下から汲み上げ、さらに軟水化してから使用すると、風合いの良い生地に仕上がるんですって!
もうひとつのこだわりは、天然成分100%の石鹸を使うこと。多くの服地メーカーは、泡切れが良くて少ない量で洗浄できる合成洗剤を使うのですが、実はこれが生地にはあまりよくないとのこと。ウールのふくらみを十分に引き出すためには、天然の油脂成分から作る石鹸が必要不可欠。でも天然石鹸で洗うためには、合成洗剤に比べ2倍以上もの水が必要なんですって。やっぱり上質なものをつくるには、手間と時間を惜しんじゃダメなんだなぁ…。
四日市市の良質な水と天然石鹸、この二つにとことんこだわってつくる御幸毛織の本物のものづくり。極上の風合いはぜひ、お店で体感してね!
  • 工場見学スタート!広さはなんと、35,000㎡。およそ東京ドーム2個半だそう。広すぎて、ピンとこない~(笑)!

  • 染めの工程。写真にチラッと赤色が写っていますが、実は紺色に染めている途中なのです。

  • 何種類もの色の糸を混ぜて、ひとつの糸をつくり出します。手間がかかるけれど、味わい深い色の誕生です。

  • 余分な油脂を洗い落とす、石鹸洗いの工程。ゆっくりゆっくり、とにかく丁寧に時間をかけて洗っていきます。

  • 毛焼きの工程。夏物はサラッとした生地感を出すため、焼く工程が大切なんですって。

  • 出来上がった反物は、手作業で徹底的にチェック!粘着テープとピンセットを使い、どんな小さなゴミや傷も見逃しません!

  • 工場内では、このような木製の部品が多く活躍しています。ステンレス製の方が取り扱いは楽ですが、より布に優しい木にこだわっているんですって。

  • 試験的にわずかな量を染めて色を確かめる、ビーカー染めと呼ばれる作業。ここで、染料の配合が決まります。

人事担当者からのメッセージ

当社は、100年以上かけて培った丁寧なものづくりが特徴。そこから生み出される品質や価値を、より多くの人に伝えるという役割は大きなやりがいでもあります。「洋服、ファッション、オシャレが好き」な方は、ぜひその気持ちを生かして、活躍していただきたいと思います。
入社後は、社内外でさまざまな業種や年齢の方と接する機会が多くあります。学生時代にできるだけたくさんの方と話をすることが、経験として生かされるでしょう。またアルバイトやゼミ・サークルなどで、目標を達成する経験は仕事でも役に立つと思います。
就職活動中は、興味を持った会社や業界について、可能な限り多くのチャンネルで情報収集してください。実際に会社訪問をして、生の声を聞いてみるのも大切です。貴方の熱意が前向きに伝われば、面接は大丈夫。自信を持って熱い気持ちを伝えてくださいね。

河栗 弘明さん

管理本部 労務グループ長 河栗 弘明さん

佐井祐里奈の体験後記

佐井祐里奈の体験後記アイコン
最後に、羊1頭から何着のスーツがつくれるのか……。答えは、約4~5着のスーツがつくれるのです!ちなみに、メスの首回りの毛が一番高価とのこと。
オーダースーツってなんとなく高価なイメージがあったけれど、工場見学をして納得!手間ひまをかけ丁寧に丁寧に、一着一着を糸一本からつくりあげる姿勢に感激しちゃいました。御幸毛織のスーツを着ると、なんだか仕事もうまくいきそうだなぁ~。
ビシッとキメたい時にはぜひ、御幸毛織のスーツを!!!
佐井祐里奈の体験後記

取材中は「メェ~」…じゃなく「へぇ~」の連続でした(笑)。羊さんたちに感謝して、憧れのオーダースーツを手に入れたいなぁ♪

COMPANY DATA

御幸毛織株式会社
http://www.miyukikeori.co.jp/

明治38年(1905年)の創業以来、原料から服地まで一貫した生産管理で高品質の服地を製造。2011年に名古屋市北区から三重県四日市市に移転した主力工場でも、「良い生地は良い原料から」をモットーに服地をつくり続ける。服地に独特の味を生み出すションヘル織機、しっとりと柔らかく仕上がる天然石鹸、鈴鹿山系の名水など、こだわりも満載だ。
御幸毛織の服地は、全国有名百貨店や、テーラー、ミユキグループ直営店の「サローネ・パルテンツァ」などで取り扱っている。

  • 佐井祐里奈プロフィール
  • 佐井祐里奈

    ツイッター:@yunna_s31 愛知県日進市出身。大学卒業後、宮崎放送(MRT)のアナウンサーとして活躍。2013年から拠点を名古屋に移し、テレビのリポーター、ラジオのパーソナリティ、イベントの司会など、活躍の場を広げる。趣味はアイドル研究。