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第10回フジパン株式会社(名古屋市)

我が家の朝食はフジパンのパンから始まります♪

「フジパンほんじこみ~~♪ 」「ネオバターロールフジパン♪ 」…次の取材先がフジパンと聞いてから、私の頭の中でグルグルと流れるCMソングたち。何を隠そう、祖母の家も私の実家もほとんど毎日「朝はパン♪パンパパン♪」なのです(笑)。
特に早朝からラジオの生放送がある土曜日は朝3時30分に起きるので、手軽で美味しいパンは私の大事なエネルギー源。特にもっちりとした「本仕込」が大好物で、時間のない朝にもかかわらず、ついつい「もう一枚♪」となってしまいます。そんなフジパンさんの魅力について今日はリポートしますよ。
フジパンの歴史、そして大人気「本仕込」の魅力を徹底解剖!
まずはフジパンの歴史について、マーケティング部の増田稔さんに話を伺いました。
1922年に創業者の舟橋甚重が名古屋市中区長岡町で「金城軒」を創業したのが、フジパンの始まり。甚重は小麦粉が発酵する仕組みにひかれて、パン・和洋菓子の製造と販売をはじめました。転機となったのは、関東大震災で日本の経済が混乱する中、甚重が発案した「復興おだまき」の販売です。これが安価でおいしいと飛ぶように売れ「金城軒」の経営は軌道に乗り始めます。1951年には富士製パン株式会社を設立。そして、1958年には日本で初めてパンの完全自動包装を実現。その後、事業を中部から関西・関東へと広げていきました。1970年に開催された日本万国博覧会では、フジパンロボット館単独出展で「フジパン」の名は全国へ。当時、入場者数ランキングは第10位だったのだそう♪
さらに、フジパンの業績向上への大きな転機のひとつと言えるのが、「本仕込」の発売。「本仕込」のコンセプトは「行列のできるベーカリーに対抗できる商品」。日本人の味覚に合ったもっちり感のあるパンを生み出すため、工場の大量生産では難しいとされていたストレート製法に挑戦。
開発研究部の張尊徳さん曰く、ドロドロで形にならないパン生地ができたり、パン生地が膨らまなかったりと、その実現は難しく、失敗を重ねては試作を繰り返すこと40回以上…。研究を続けること約3年。1993年に想いが実り、炊きたてのご飯のようなモッチリとした食感が特徴の「本仕込」が誕生!
1998年には日本で一番売れる食パンとして評価され、フジパンを代表する商品へと成長しました。去年の9月には「健康志向」「本物志向」を求めるお客さまのためにイーストフード・乳化剤の不使用、国産原材料の強化など、おいしさを追求しながら進化を遂げました。現状に満足しないって凄いなぁ~。
  • マーケティング部の増田さん(右)と、開発研究部の張さん(左)。パッケージに漢字を使ったのは「本仕込」が初めてだったそう。

  • 美味しいパンというのは、良くできた生地からできるんですって。

  • 「イーストフード・乳化剤使っていません」詳しくはもちろん企業秘密ですが、製法や原料にこだわり、完成させたんだそう。

  • 民話を電話で聞けるって、ご存知でしたか?実はスマホサイトも存在しているのです!パッケージのQRコードにはパンのキャラクターが…♪

「ネオバターロール」誕生の秘密&
携帯サンドイッチの元祖「スナックサンド」!
フジパンといえば、本仕込のほかにも大人気なのが「ネオバターロール」。最初からパンにマーガリンを入れておけば、忙しい朝に便利なのではと考えたのが開発のきっかけ。何気ないひらめきから生まれたのですね。さらに、開発の大きな後押しとなったのが、偶然工場で活用チャンスを逸していたというクリームの注入機。ナイスタイミング!その機械の稼働率を上げるために、誕生したのがバターロールの中にマーガリンが入った「ネオバターロール」です。バターロールとマーガリンのもっとも良いバランスを生み出すために、微調整をくり返したとのこと。歯切れがよく、食べた瞬間にマーガリンの甘く豊かな香りが、フワッと口の中に広がる仕上がり。売り上げも好調で、すぐにレーズン入りや黒糖風味が誕生しました。
そして忘れちゃいけないのが、持ち運びが手軽な「携帯サンドイッチ」として発売された「スナックサンド」。発売したのは1975年。実はスナックサンドが日本における「携帯サンドイッチ」の元祖なのです。今でこそ類似商品が多く売られていますが、耳を落とした2枚の食パンに具材を挟んだ携帯サンドイッチは当時存在しておらず、あっという間に大ヒット商品になったんですって。
その後、他社が類似商品を販売しても、市場が広がることでパン業界の発展に繋がればと前向きに捉えたフジパン。売上が伸び悩むこともありましたが、様々な具材のバリエーションを増やすと共に、パン生地を改良するなどスナックサンドは進化を遂げていきます。お客さまに喜んでいただくために手間を惜しまず改良を続けていく姿がとっても格好良いですよね。
  • パン生地とマーガリンのバランスが絶妙なネオバターロール♪

  • パンへの愛情、研究開発の大変さを話してくれた張さん。「ネオバターロール」「スナックサンド」共にイーストフード・乳化剤不使用です。

  • 実は他社の携帯サンドイッチよりも「スナックサンド」はひとまわりサイズが大きいと聞いてニヤリ。

  • 開発研究部 課長であり、特級製パン技能士の三矢さんが「スナックサンド」について話してくれました。

メッセージ

人事担当者からのメッセージ
フジパン発展の原動力は、社是である「和」の精神にほかなりません。美味しいパンをつくってそれを毎日お届けするためには、多くの従業員が協力し合わなければなりません。ですので、相手の立場を考え周囲と協力できる方、他人の痛みがわかる方にぜひ入社していただきたいです。食品に関する資格や知識は、入社してから勉強できる環境が整っているので安心してください。
面接で熱意を伝えるためには、その会社を徹底的に調べること。好きな人ができると相手をもっと知りたくなる気持ちと同じように、その会社の経営理念や売り上げ、社長の名前など、会社についてしっかりと調べてみてくださいね。 皆さんの熱い想いが形になることを祈っています。

人事部統括課長の松原伸さん

佐井祐里奈の体験後記

イーストフード・乳化剤不使用で、本仕込をはじめとするいろんなパンをつくるフジパン。安全・安心、プラス「今まで以上に美味しくすることが大命題」だと皆さんが熱く話してくださいました。製造に関わっていない社員の方々を集めて、これまでのパンと改良したパン、どちらの方が美味しいか「目隠しテスト」まで行なっているとのこと。ボロ負けで悔しい思いをすることも多々あるそうですが、贔屓目なしに「美味しい!」と評価してもらえるまで、研究に研究を重ねるのだそう。妥協しない熱い想いが美味しいパン誕生の秘密なんだなぁ~。「朝はパン♪パンパパン♪」これからも感謝の気持ちを持って、美味しいパンをいただきま~~す!

オーブントースターで焼いてもらった本仕込。外はカリッ、中はもちっ。小麦粉の香りがとってもステキ~♪

SHOP DATA

■フジパン株式会社 https://www.fujipan.co.jp/ グループ事業会社において、パン、和洋菓子の製造と販売のほか、物流、弁当・惣菜の製造販売、麺の製造、パン製造直売店の経営コンサルタントを行う。 社会活動の一環として、卸売りパン(一部を除く)のパッケージ裏面に記載されている電話番号にかけると、週替りでいろいろな民話の語りを聞くことができるテレホンサービスを実施している。

PROFILE

佐井祐里奈 ツイッター:@yunna_s31 愛知県日進市出身。大学卒業後、宮崎放送(MRT)のアナウンサーとして活躍。2013年から拠点を名古屋に移し、テレビのリポーター、ラジオのパーソナリティ、イベントの司会など、活躍の場を広げる。趣味はアイドル研究。