第12回
酒蔵巡り(萬乗醸造)& 酒粕コスメ(クヘイジボーテ)

十五代当主が醸す至極の一杯が、日本酒のイメージを変えます!

ポカポカ陽気のお正月で始まった2017年も、大寒のころには全国で雪マークがチラホラ。
そんな寒さとともにピークを迎えるのが、そう、日本酒の仕込みです。
今回のテーマは、ズバリ日本酒。それも、取材スタッフが「飲んだ人をトリコにするお酒」と大絶賛する「醸し人九平次」の仕込み現場を直撃しちゃいます。
従来の日本酒とは一線を画すこのお酒。パリの三つ星レストランのワインリストにも採用されていて、その人気は国境を越えています!

名古屋市緑区の住宅地に広がる老舗酒蔵

最近、東京でもその評判を耳にする「醸し人九平次」。さらに、世界でも認められている日本酒が、名古屋で造られているなんて誇らしい……と、感慨にふけっていたら、黒壁のシックな酒蔵に到着です。
母屋で出迎えてくれたのは、当主の久野九平治さんです。こちらでは代々「九平治」を名乗っていて、久野さんは十五代目にあたります。先代までは、大量生産で安価な日本酒を造っていたそうですが、「日本酒のイメージを変えたい」といっきに方向転換。1997年には「醸し人九平次」として、昔ながらの醸造法に基づいた日本酒を造り始めます。
醸造法を変えるだけに留まらないのが、久野さんのすごい所。「良いものは国境・文化・ジャンルをこえる」という信念のもと、海外に飛び込み営業を開始。その結果、2006年にはパリをはじめ世界中の人気レストランで次々に採用が決定します。
「醸し人九平次」のどんなところが、海外の方に受け入れられたのかしら?「私たちが醸す酒には、五味すべてがバランスよく含まれています。苦味や渋味、酸味はナーバスなイメージがありますが、これらが含まれていなと薄っぺらい味にしかならない。中でも酸味を大切にすることにより、立体的な飲み物に仕上がるのです」(久野さん)。
それまで日本酒では雑味と捉えられてきた「酸」を、絶妙なバランスで表現した久野さん。試飲させていただいて気づいたんですが、酸味と甘味の絶妙なバランスが白ワインに通じるのかも!日本酒だと知らずに飲んだら、気づかない人もいるんじゃないかしら……、って思えちゃうほど、日本酒の概念を覆してくれるお酒なんです。

十五代当主の久野九平治さん。とっても渋いイケメンです!


発酵中のタンクを見学。周囲には日本酒の甘い香りが漂います。

まだお米の粒が残っている段階。これが酵母の力で……。

お米が発酵で、トロトロに! 酵母の力ってスゴイ!!

若い蔵人たちが働く仕込み現場におじゃまします

こちらのもう一つの特徴が、スタッフの平均年齢が28歳ととても若いこと。生き生きと日本酒を仕込むスタッフの姿を見るだけでも、「醸し人九平次」のファンになっちゃいそう。
仕込み現場で一番驚いたのが、新酒を詰めた瓶がお湯に沈められていたこと。65〜70℃のお湯に瓶を40分間浸すことで、瓶ごと殺菌しているんですって。それにより、発酵中に出る炭酸ガスが瓶内に閉じ込められ、開栓直後はシュワシュワとした発泡感が楽しめるそうです。そして、そのシュワシュワ感を、しぼりたての新酒で味わうことができました!温度管理された部屋でしぼられたばかりの日本酒を、ワイングラスでひとくち……。心地よいシュワシュワ感と一緒に、なんとも優しい味わいが喉をスルスルと通り過ぎていきます。これが世界に肩を並べる味なんですね!
そんな仕込み現場を見学する私の目に、ワイン樽が飛び込んできました。どうして??「日本酒の可能性を広げるために、いろいろな実験をしているんです。その中の一つがこれ。数年前にしぼった日本酒を、オーク樽で寝かせています」。さすが、チャレンジ精神旺盛な久野さん。日本の伝統と西洋のDNAの融合を自ら試しているんですって。
さらにそのチャレンジは日本酒だけに留まらず……4年前にはオリジナルのコスメを作ってしまったんです。「日本酒の副産物、酒粕を料理以外にも活用できないかと考えた結果です」(久野さん)って、その発想力、スゴすぎます。「冬の酒蔵はとても乾燥するんです。このクリームは、スキンケアに悩む女性スタッフの声を集めて開発。いまでは、男性スタッフにも愛用者がいるんですよ」(クヘイジボーテ担当の蓬田さん)。
「醸し人九平次」の酒粕から抽出したエキスを独自に配合した、オールインワンの「クヘイジボーテ」。酵母の発酵力が詰まったクリームは、口コミを中心に品切れするほどの人気ぶり。決して(!)若さだけじゃない蓬田さんのお肌のツヤにその実力を実感しましたよ!

ワイン樽で寝かせた日本酒も、特別に試飲させてもらいました。


この私の笑顔で、美味しさが伝わるかしら?商品化が待ち遠しい(笑)!

これがしぼりたての新酒。フレッシュな香りと、シュワシュワ感が最高です。

お湯をはったプールで瓶ごと消毒することで、シュワシュワ感を閉じ込めます。

クヘイジボーテ担当のスタッフ蓬田さん、ホントに肌ツヤ!

うるおいが肌にグングン吸収される感じ!ボタニカル調の香りもステキです。

遼河はるひの体験後記

今回、おじゃました萬乗醸造さんは1647年創業の老舗。自社田でお米を栽培したり、長野の飯田方面まで仕込み水を汲みに行ったり……、その並々ならぬ想いが詰まった日本酒は、どれもナチュラルで体に染み入る美味しさ。2015年には、その日本酒をさらに進化させるため、フランスのブルゴーニュ地方でワインの醸造も始めたそう。異文化に接するだけでなく、自ら飛び込んでいくその姿勢こそ、私たちの想像を超えた新しい日本酒を造り出す原動力になっているんですね!もう大ファンになっちゃいました〜!!

母屋には昔の帳場が残されていました。

SHOP DATA
■萬乗醸造

【HP】 http://kuheiji.co.jp/index.html
※通常、酒蔵の見学は受け付けていません。
■クヘイジボーテ
【HP】 http://kuheiji-beaute.com/index.html
※HPや酒小売店などでお買い求めください。
遼河はるひ プロフィール

愛知県名古屋市出身。元宝塚歌劇団・月組男役スター。高校生の時に初めて観た宝塚に魅せられ、1994年、宝塚史上もっとも倍率の高い年に宝塚音楽学校に入学。1996年、宝塚歌劇団入団。数々の舞台を経て、2009年退団。退団後は、女優・タレントとして活動。バラエティ番組にも多数出演し、活躍の幅を広げている。

舞台 『アニー』(2016年)
『エリザベート』(宝塚歌劇団2009年)
映画 『はなちゃんのみそ汁』(2015年)
ドラマ 『癒し屋キリコの約束』(2015年)
CM 『豆腐よーぐるとぱっく 玉の輿(盛田屋)』