ウワサの日本酒をつくる酒蔵をレポート!
前回は、立ち飲みの現場をレポートしつつ日本酒をちびちびいただき……、ついほろ酔い気分に……(苦笑)。
これまで、日本酒にあまり馴染みのなかった私ですが、その個性豊かな味わいに、すっかり魅了されてしまいました!
という訳で、今回は、いま?み助さんたちの間で人気沸騰の日本酒「奥」をつくっている山﨑合資会社さんにおじゃまします。「奥」って、どんな日本酒なのかな?。さっそく、行ってきます!
三河湾国定公園に位置する西尾市幡豆地区へ―。
1903年創業の山﨑合資会社は、幡豆地区で100年以上も日本酒を作り続ける老舗の酒蔵です。最近、サラッと飲みやすい日本酒が多い中で、「奥」は「これぞ、米からつくった酒!」的な濃厚な味わいを主張するお酒として、通の間でウワサになっているらしい(って、飲んべえの我がスタッフが言ってました!)。
前回の立ち飲みでいただいた「フレッシュ」だったり「フルーティー」な日本酒が女性的な味わいだったら、「奥」は男性的な味わい、ってことになるのでしょうか?うーん、どうやら、日本酒の懐はまだまだ深そうです。
酒蔵におじゃました私を、「奥」の生みの親でもある4代目の山﨑さんが出迎えてくれました。
実は「奥」が誕生した2002年は、焼酎ブームに火がつき始めたころ。なぜそのような年に、あえて「奥」をつくろうと思ったんですか?
『サツマイモが市場に不足するほど、世の中が焼酎ブームに沸き返っていた頃。日本酒業界では日本酒離れを食い止めるため、低アルコールで飲みやすい日本酒をつくろうとする流れがあったんです』。
フムフム……。実はその焼酎ブームに乗っかったクチです、私(照)。
『でも、私はあえて、できるだけ濃い日本酒をつくろうと思ったんです』
えっ、なんで? 時代への反骨精神??
山﨑合資会社さんの敷地内で発見した井戸水。三ケ根山麓の伏流水で口当たりの良い軟水が、日本酒のできを左右します。
蔵で出迎えてくださったのは、4代目の山﨑厚夫さん。「奥」の発案者でもあります。
酒蔵では、まず映像で日本酒のできるまでを学びます。お米と水のうま味を最大限に引き出す蔵人さんって、スゴい!
「奥」を語る上で欠かせない酒米「夢山水」。奥三河で契約栽培されたもので、日本酒にすると華やかな香りが特徴です。
とろみのある濃い日本酒は、東京で人気に火がつきます!
時代の流れに反して、濃い日本酒づくりをはじめた山﨑さん。
『本当にお酒が好きな人に飲んでもらうなら、飲みやすさではなく本来の味わいを追求すべき、と考えたんです』。
さすが、?み助の気持ちをわかってらっしゃる! その後、3年ほど試行錯誤を繰り返して、完成したのが「奥」。アルコール度数18度以上の濃い日本酒は、とろみのある飲み口と、鼻に抜ける華やかで濃厚な香りが特徴的。この濃さに初めて飲む人は、さぞかし驚かれたことでしょう……。
『良い意味で日本酒の概念をくつがえせたため、東京から驚き半分ですが好評を得ました』。
ちょっと斬新な山﨑さんの「奥」は、まずは東京で人気に火がついたそう。そして、徐々に地元・愛知でも認められ……、今ではそう、?み助さんたちの間で人気沸騰中。でも、そもそも「奥」の味を支えているものって?
『ここ、幡豆地区の造り酒屋として、素材も地元にこだわりたかった。そのため、1996年に愛知県で誕生した酒米“夢山水”のみを使って、仕込みをしています。もちろん、水も敷地から湧き出る井戸水を使っているんですよ』。
お米も水もつくる人も、地元なんですね! なんだか、ますます愛着がわいてきます。「奥」には山﨑さんの斬新な考えと、地元愛がたっぷりと詰まっているんですね!
この大きなタンク1本には、10キロリットルの日本酒が入っているんです! 大きいな?。
※特別な許可をいただいて、撮影をしています。
白い泡がぶくぶくしているのは、酒母と呼ばれるもの。米麹と酵母、蒸し米からできています。味と香りに影響を与えるんですって!
山﨑合資会社さんでは、仕入れた玄米をすべて自社で丁寧に精米しているそう。精米機も巨大です!
待ちに待った、試飲タイム(笑)!
今回は、12月中旬と3月中旬の年に2回発売される「全量にごり吟醸」をいただきました!
遼河はるひの体験後記
日本酒って、なんて奥が深いのかしら(笑)! おいしい日本酒には、いいお米と水、それに日々、妥協をしない職人さんのこだわりが必要なんですね。これからは飲み口だけでなく、つくられた場所やつくる人のことを思いながら大切に味わいたいな。
山﨑合資会社さんでは、「奥」のほかに「焚火」(これも愛知県で生まれた酒米・若水100%の日本酒です)など、こだわりのお酒をつくっています。お店で見かけたら「奥」以外のお酒も味わってみよ?!(ウフフ、楽しみ?♪)
「全量にごり吟醸」は濃い飲み口ですが、微炭酸なのでスッと喉を通ります。