• 2017年
    (平成29年)
    1月11日
    (水曜日)

    名古屋から車で走ること約60分。岐阜県関市を深く聞き込みます!

    1軒目は、平日でも行列必至の人気店、あつた蓬莱軒本店へ。取材日も、開店前から長蛇の列が!
    否応なしに期待が高まります!!

    名古屋周辺を散策することで始まったこの「中日深聞」も、残すところあと2回の連載となった。さて、締めをどうしよう、と担当の森山女史と相談して、「締めといえば、メシでしょう!」ということで、今回と最終回は「名古屋めし特集」となった。なった、と言うより、した。

    前にも申し上げたとおり、名古屋の魅力は観光地としての要素よりも、日常の暮らしやすさであり、「ハレ」と「ケ」の部分の積み重ねこそが力の本質だと思っている。「名古屋めし」という呼び名からしてそうではないか。これほど飾らない、グルメ用語があるだろうか。他の地域には、こんなご当地グルメの呼称はありえない。「東京めし」とは言わない。特定の料理名で「深川めし」はあるけれど、ジャンルを指す言葉ではない。

    「京都めし」「博多めし」「神戸めし」「札幌めし」など、どこぞにあるやもしれぬが聞いたことがない。

    あつた蓬莱軒本店の前に、熱田神宮へ。あれ!?編集長が鳩と戯れているこのシーン、どこかで見たような……。
    まさか、ひつまぶしを食べる前にきしめんを食べた……なんて、口が裂けても言えません。

    ところが、名古屋市が平成26年に行った観光客・宿泊客動向調査で、その認知度は熱田神宮、東山動植物園などを凌いで56.5パーセント、満足の評価では68.6パーセントとダントツでトップだったという。実際に食べた、経験した、目的にしている、などの項目でも一位だそうだ。これは一見私にとってはパラドキシカルではあるけれども、つまりそれほどに日常的に愛される料理が他地域からも注目を集めているということの表れでもあるだろう。

    この「名古屋めし」呼称が生まれたのは、名古屋の外食企業Zettonの稲本健一会長が社長時代の平成13年に東京1号店を出店した際、看板メニューとして味噌串カツや石焼ひつまぶしなど、名古屋独自の料理を掲げたことから、取材に訪れた記者が「イタめし」よろしく「なごめし」と提案したのを受けて、わかりやすく「名古屋めしにしよう」と鶴の一声で決まったとか。ここまで広がり浸透したのも、その分かり易さが、名古屋の食事と親和性があったということなのだろう。

    本宮を参拝後、おみくじをひく編集長。さぁ、結果は!?教えて編集長~!!
    結果を言わず、早々におみくじを結びはじめる編集長。横顔が心なしか、悔しそうなのは気のせいかしら……?
  • 2017年
    (平成29年)
    1月11日
    (水曜日)

    めったにお目にかかれない人気店の
    内部=厨房に潜入します!

    まずは何と言っても鰻のひつまぶしではないだろうか。中々に貴重品になってしまった鰻は、新幹線のホームで売られている弁当にも見かけることが少なくなった。代わりに「ぜいたくあなご弁当」などというものに姿を変えたようだ。これはもう、いただかなくては致し方ない。

    超有名店の「あつた蓬莱軒」にうかがって、取材にかこつけて、いや、はっきり取材として頂いてきた。

    熱田神宮の前の店にも行ったことがあるが、今回は本店にお邪魔した。この地は東海道五十三次の41番目の宿場で、東海地方では随一の賑わいだったという。十返舎一九(先日テレビを見ていたら「じゅっぺんしゃいっく」と字幕にふりがなが添えられていた。間違ったふりがなを書くほど無意味なことはないなあ。「じっぺんしゃいっく」が正解)の「東海道中膝栗毛」にも、名古屋名物として鰻の蒲焼が描かれている。

    新鮮な鰻を備長炭で焼き上げる焼き場は、冬でも暑いくらい! タレのいい匂いが食欲をそそります。
    この絶妙な焼き加減に……写真を見ただけでも思わずよだれが……。どこからか、香ばしい匂いまで漂ってくるようでしょ(ゴクン)。

    この「あつた蓬莱軒」は、明治初期に料亭として開業、つまり140年以上の歴史がある老舗だ。何とまあ、開店前から大変な行列ができている。

    出前持ちが空になった丼を引き取ってくるときに、頻繁に割ってしまうので業を煮やした二代目店主の甚三郎さんが女中頭の梅さんと割れにくい木の器を考案し、大きなおひつに鰻丼を入れて出前をしたら、今度は鰻を先に食べてしまうようになったので、鰻をご飯と混ぜて出すようにしたところ大評判になったことからひつまぶしが生れたそうだ。もちろん、おひつで鰻とご飯をまぶすからひつまぶしだ。ひまつぶしが訛ったわけではない。

    厨房の焼き場を見せていただいたが、何ともすごい迫力で、大勢のスタッフの統制が実によくとれていて、私たちのような邪魔者が右往左往しても、それに素早く対応するセンスと経験を持っておられる。さすがは超有名店。

    さあ、それでは席について、ひつまぶしが出来上がるのを待つとするか!というところで今回はおしまい、また次回へと続く。なんだそりゃ!

    老舗の味を支えるのは、もちろん職人の技。あ〜、早く食べさせてください!!
    最後のおまけ……。カメラマンにだけ、こっそり教えたおみくじの結果を。編集長、勝手に公開しちゃって、すみません〜!!
    松尾貴史
    編集長松尾貴史

    1960年5月11日生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト、"折り顔"作家、カレー店「般°若」店主など幅広い分野で活躍。
    著書にPHP新書「なぜ宇宙人は地球に来ない? 笑う超常現象入門」等多数。
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