• 2016年
    (平成28年)
    12月14日
    (水曜日)

    名古屋から車で走ること約60分。岐阜県関市を深く聞き込みます!

    身も心も清らかになった編集長が、軽やかな足取りで向かう先には……
    そう、アレが待っているんです。

     やんごとなく伊勢参りを済ませた私達は空腹であることに気づいて、買い食いをしようということになった。内宮宇治橋から五十鈴川に沿って北へ数百メートルのびる「おはらい町」は、伊勢特有の「切妻造り」が軒を連ねている。「切妻造り」というと何やら刺身を連想してしまうが(しないか)、本を伏せたようになっている屋根の合掌したようになっている面が道に面して、そちら側に入り口がある造りがそれで、考えてみれば、神社の本殿などは入り口のある側から見るとそうなっているところがほとんどだ。逆に、長屋など普通の町家は屋根の尾根と平行に沿って道に面していて、入り口もそちらにある事が多い。やはり、お伊勢さんの膝もとだからなのだろうか。その中程には「おかげ横丁」というエリアもあるが、私にはその境目はわからなかった。わからなくてもいい感じだった。

     おはらい町に入ってすぐ、「松阪牛」の串焼きとやらが売られていて、どうにも食指がラピッドにムーヴィングするので一本売ってもらった。お店の、美人のお姉さんがアルバイトさんなのか単に商売っ気がないのか、私が注文しようと声をかけると心なしか迷惑そうな顔をされたが怯まずお願いすると、焼きあがるのを待ってから「仕方ないわね」という表情で渡してくれた。味は意外性はなく、なかなかに牛肉の味だった。汁が垂れがちなので皆さん気をつけましょうぞ。

    おはらい町には、牛串や団子、コロッケなど、食べ歩きに最適なものがたくさん!
    「なぜ神宮のお膝元に、私の地元の酒があるのでしょうか?」と編集長。ハイ、もちろん立ち寄らせていただきますよ!

     伊勢神宮の神様に毎朝供えられる御料酒は、なぜか私の実家がある兵庫県西宮市の酒蔵が造っている「白鷹」の特別酒だった。神宮御料酒唯一の銘柄なのだが、選ばれたのは大正13年というから今から90年以上前だ。この年は大女優の当たり年で、高峰秀子、今日マチ子、淡島千景、乙羽信子、越路吹雪、赤木春恵と、他にもおられるが大変な当たり年。しかし、白鷹とは何の関係もない。いや、それぐらい前からですよと言いたかっただけだ。そして、この特別酒を全国で唯一取り扱っているのがこちらの三宅酒店だ。「伊勢まちかど博物館」に指定されていて、角樽や木桶、通い桶など、昔の酒文化を伝える貴重な道具が展示されている。

     ここの立ち飲みスペースで利き酒と称して、真面目に取材のために仕方なく飲む。もちろん、私は味見のつもりだったのだが、ぐい飲みの淵から決壊寸前の表面張力注ぎをされてしまったので、このように有難き御料酒をばおろそかにしては勿体無いにもほどがあるので、口の方からお迎えに上がる。サービスで、海水のみから作られる純国産自然塩「岩戸の塩」を出してくださり、それを舐めつつクイクイと。おかみさんが勉強家なのだろう、随分と白鷹で、いや博識で、大変に勉強になったが、酔っていたのでほとんど忘れてしまった。

    溢れんばかりの酒を、こぼれないように口からコップに近づいてすすることは、日本人の「もったいない精神」の表れ。決してお行儀の悪いことではないんです!
    おはらい町の百五銀行で、こんな看板を発見! ATMが現金自動取扱所なんて、なかなかシブいじゃないですか。
  • 2016年
    (平成28年)
    12月14日
    (水曜日)

    食べて、飲んで……
    伊勢のご当地グルメ旅はまだまだ続きます!

     せっかく45年ぶりに伊勢に来たのだから、何が何でも体験しようと思っていた伊勢うどんを食べるべく、地元の人におすすめを聞いて回った。しかし、どうにも座標が色んな方向に向いているらしく、結論から言えば、好みは色々で「どこが美味しい」などと太鼓判は押せない、ということだった。


     伊勢市内でも数少なくなった自家製麺のうどん店、「山口屋」に来た。何とこのうどんは、一時間以上も茹でるのだという!そんなことをしたらドロドロになってしまうのではないかと心配になるが、しっかりと水で締めるので、柔らかいのに迫力のある麺が出来上がるのだという。かつお節や煮干しをふんだんに使ったタレを絡めて食べると、香川や大阪の人が「あれはうどんなのか」と疑問を呈するのがナンセンスに思えてくる。ご当地で食べたということもあるのだろうけれど、私はたいそう気に入った。これはあるところに到達した、うどんのスタイルの一つなのだろう。こちらのご主人と着ているTシャツが似て非なるものであることに気づき、ツーショットの写真を撮った。うどん対蕎麦の対決だった。

    山口屋の店先に設置された顔出しパネルにハマる編集長。一生懸命に自撮りをしてましたが、なぜ女性の顔にハマっているのでしょうか?
    うどんを食べに来た編集長のTシャツが、なんと「SOBA Tシャツ」。山口屋の主人の「ISEUDON Tシャツ」と、ハイチーズ!

     440年以上前、1575年創業の茶店、「二軒茶屋餅角屋本店」の21代目が、1997年からビールの醸造をしていると聞いて、おずおずとやって来た。東京にも三軒茶屋があるが、その名のもとになった茶屋の内の一つも、やはり「角屋」だと言われているが、なかなかの偶然ではないか。餅屋がビールとは意外性があるが、夏の間の需要のバランスを考えての発案だったそうだ。クラフトビールは全国的に花盛りだが、工夫がユニークなここのビールはなかなかに唸ってしまう質の良さだった。


     元は砂糖蔵として使っていた棟を利用して、展示室が設けられている。明治時代に使っていた通い瓶や帳面、焼夷弾など貴重な歴史資料を拝見して、気がつけば夕刻、当地で大人気の居酒屋「むか井」へ。予約でいっぱいの店内で自分で紙に注文を書いて通す気楽な流儀。かんぱち、枝豆、渡り蟹などで身も心もさらに清めたのでありました。

    二軒茶屋餅角屋本店のまえで、ピースをする編集長。……って、ひょっとして、コレもお決まりのジェスチャーだったりして!?
    取材中、とつぜん「ジリリリリ……」と鳴り出した黒電話。二軒茶屋餅角屋本店では、黒電話が現役バリバリで活躍しています。
    やっぱり、今日も居酒屋ののれんに吸い寄せられ……。夜が更けていくのでした。
    松尾貴史
    編集長松尾貴史

    1960年5月11日生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト、"折り顔"作家、カレー店「般°若」店主など幅広い分野で活躍。
    著書にPHP新書「なぜ宇宙人は地球に来ない? 笑う超常現象入門」等多数。
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